研究課題
若手研究
昆虫の体内で発育する寄生者のなかには,生存を有利に進めるために寄主に気管を作らせるという術を進化させたものがいる.寄主に自己組織のように錯覚させ,異物である寄生蜂のために気管新生を行わせている.しかし,その分子制御機構は未解明なままである.この気管新生のメカニズムは,ヒトにおけるガン細胞が引き起こす血管新生に酷似している.寄生蜂の気管新生の分子メカニズムに関与する分子の実体を同定できれば,昆虫だけでなくヒトにおける血管新生のあらたな分子メカニズムを理解できる.そこで,本研究では,寄生蜂において,寄主に気管新生を行わせている分子メカニズムを解明する.