研究課題
若手研究
有鉤条虫はヒトに寄生する条虫の一種であり、ヒトは加熱不十分なブタ肉やイノシシ肉内の幼虫を経口的に摂取することで感染して成虫の宿主となる。成虫からヒト糞便内に虫卵が排出され、ブタやイノシシに感染して筋肉内に幼虫が形成される。開発途上国が主な流行地域であり、日本には常在しないと考えられる一方、信越地方において2014年と2023年にイノシシより幼虫が検出された。このことからヒトを含め何らかの動物が成虫の宿主となって国内でイノシシへの感染を引き起こしていることが示唆されたが、現状その特定への糸口はない。本研究では有鉤条虫のゲノム解析を通して国内における有鉤条虫の宿主の特定を目指す。