研究課題
若手研究
血糖降下ホルモンのインスリンは、動物種間でアミノ酸配列の保存性が高い。ところが、ニホンヤモリでは例外的に多数のアミノ酸置換がみられ、血糖降下作用の減衰が示唆された。本研究ではヤモリインスリンの生理活性を検証して、変異の進化的意義を明らかにする。いっぽう、ニホンヤモリの血糖値はヒトに近い値で安定しており、インスリン以外の仕組みで血糖値を制御することが示唆された。そのような仕組みとして、糖新生酵素g6pc1の遺伝子重複により生じた2つのコピー遺伝子を使い分けて肝臓のグルコース放出量をこまめに調節し、過剰な血糖値上昇を防止するという仮説を検証する。