研究課題
若手研究
硫化水素などの硫化物を炭素固定のエネルギー源として利用する化学合成細菌は海底の熱水噴出孔や冷水湧出域、陸上の洞窟などで光合成生物に代わる一次生産者として生態系を支えている。さらにこれら硫化水素環境では、化学合成細菌と共生関係を確立したことで極限環境に適応した水棲無脊椎動物などによって特異な生態系が作られている。一方、陸上の硫化水素環境である火山では火山湖の湖水中から化学合成細菌が発見されているものの、化学合成細菌との共生は地衣類イオウゴケが初めての報告例である。よって本研究では火山の噴気孔周辺の生物相において化学合成共生の実態を調査し、陸上の化学合成生態系を明らかにする。