研究課題
若手研究
生物の性決定機構は、染色体構成に基づく遺伝型性決定と、性染色体を持たず環境に依存する環境依存型性決定に大別される。寄生性甲殻類Peltogasterella gracilisでは、雌雄で染色体数が異なり(メス: 2n=31, オス: 2n=30)、雌の余剰染色体が性染色体として機能する可能性が示された。申請者は野外調査から、仔の性比が季節で大きく変動することを見出し、本種の性決定は環境に応じた染色体放出による「環境依存的遺伝型性決定」であると提唱した。本研究では、性比調節に関与する環境要因の特定と、染色体放出の分子機構の解明を目指す。