研究課題
若手研究
過酸化水素は生体に障害を与える活性酸素種(ROS)の一種であるが、一方で細胞の成長や分化、移動などを促すシグナル伝達物質としても働く。ROSを誘発するための試薬として過酸化水素が用いられるが、過酸化水素をそのまま用いると、細胞全体が酸化ストレスに曝されるため精緻な解析が困難になると考えられる。過酸化水素を時空間的に制御することができれば、過酸化水素によって誘発される細胞内イベントの詳細なメカニズムを解析することができるケミカルツールになりうる。本研究では過酸化水素の発生を時空間的に制御することを目的として、光に応答して過酸化水素を発生させるケミカルツールの開発を目指す。