研究課題
若手研究
前立腺癌に対する放射線治療では、治療後の有害事象として約1割に直腸出血を生じることが課題である。近年、前立腺と直腸間にゲルを注入し照射時の直腸被ばくを低減するハイドロゲルスペーサー留置術が普及し、直腸出血の克服へ一歩近づいた。しかし、全例に留置術を施行することは侵襲性、費用対効果の観点から好ましくなく、過剰診療につながりかねない。本研究では、CT画像から三次元線量分布を自動生成する深層学習モデルを開発・応用することで、放射線治療開始前に患者固有の解剖情報のみにもとづいた直腸出血リスクの即時推定を実現し、必要な患者のみにハイドロゲルスペーサーを留置する、という新しい治療戦略の創出をめざす。