研究課題
若手研究
新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)は脳性麻痺の原因の約10%を占め、長期的な神経障害を改善する治療法の確立が待ち望まれている。特に、急性期を過ぎると現行の治療の有効性は乏しくなっていくため、慢性期に効果をもたらす治療法の提案が急務である。グリア瘢痕は、急性期のダメージが無秩序に拡大することを防ぐ神経保護的な側面を持つ。一方で、慢性期にはグリア瘢痕自身による炎症や神経修復の阻害などの神経障害的な側面が問題となっている。申請者は、グリア瘢痕に老化細胞が存在することを発見した。本研究では、老化細胞除去によるミエリン化促進の機序を解明し、慢性期に適用可能な新規治療法として提案する。