肺高血圧症は様々な原因疾患により肺動脈圧の上昇を来たす疾患であり、近年では患者の高齢化や合併疾患の多様化が認められ、病態の複雑化が問題となっている。近年、これまで左心性疾患由来の肺高血圧症に分類されていた群の中に、肺動脈性肺高血圧症に左心疾患を合併した群が存在することが報告され、前者と後者では治療法・治療反応性・予後が異なることから正確な病態評価や鑑別が必要とされているが、確立したものはない。これまで当院で施行している負荷右心カテーテル検査や各種画像所見による層別化に、メタボローム解析により特定した新たなバイオマーカーを加えることで、両者の客観的診断を可能にする評価法を確立したいと考えた。
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