研究課題
若手研究
糖尿病では様々な合併症が発生する。糖尿病網膜症では高血糖などにより、血管内皮機能障害を引き起こし、組織の虚血・低酸素からVEGFが誘導され血管新生が生じる。VEGF阻害剤は血管の成長抑制作用があり、抗がん剤として用いられている。H2SはVEGF調節機能を有するが、癌組織での血管新生や血管機能におけるH2Sの意義はほとんど未解明である。さらに、糖尿病患者では血清の硫化水素濃度が低下していることが近年明らかとなった。これは、硫化水素が低濃度では癌細胞の増殖促進作用を引き起こすことから、糖尿病患者の“低下した硫化水素濃度”が癌罹患リスクの上昇に関与している可能性が示唆される