研究課題
若手研究
小脳失調は感覚障害や運動麻痺がないもしくはごく軽度にもかかわらず,動作や姿勢保持などの協調性が損なわれた状態を指す.多くの小脳失調患者は著しい姿勢不安定性を呈し,転倒リスクが高いことが報告されているが,そのメカニズムは不明であった.申請者らは小脳失調患者が病態由来の予測的な姿勢調節の障害に加えて,失調由来の不可避な動揺を抑えるために下肢の拮抗筋間を同時収縮し緊張を高める代償戦略を取ること,さらに過緊張によって自律的な姿勢調節を阻害している可能性を報告した.本研究では小脳失調患者を対象に頭部動揺を抑えた環境下で重心の前後移動に応じた下肢の拮抗筋間の活動の切り替えを促す介入方法を立案する.