研究課題
若手研究
一般的に摂食嚥下障害患者に提供される食事は咀嚼の負荷が低いものが安全であると信じられているが,これは必ずしも患者の食思や生活の質を向上させるものではない.我々は,咀嚼食品の摂取可否を決定する因子は,その硬さのみではないことを見出してきた.今回,摂食嚥下障害者の食のQOLの維持に必要となるキーワードを「食品素材」「咀嚼機能」に加えて「味」と「唾液」と捉え,健常者の生理学的検証ならびに要介護高齢者を対象とした横断的・縦断的なアプローチによって,咀嚼食品摂取の可否を決める生体および食品物性条件とは何かを再考し,咀嚼がもたらす嚥下への効果や,介護食のあり方への新たな提言につなげる.