研究課題
若手研究
堆積物からのケイ酸の供給源は、主に珪藻殻であると報告されている。珪藻殻は酸素が豊富な環境での死後直後のものしか迅速に分解されない。また、沈降中の珪藻死骸の表面には金属酸化物が結合し、難分解性の表面コーティングを形成する。近年、堆積物中の主要金属酸化物の1つである水酸化鉄に吸着しているケイ酸は、無酸素下での硫化水素生成に伴い水酸化鉄から大量に溶出することが判明された。これらの反応機構は珪藻殻の表面コーティングにも適用可能である。本研究では、珪藻殻の表面での金属酸化物の還元が、水圏でのケイ素の循環におよぼす影響を評価し、水圏と地圏における微量金属の運搬体としての珪藻の新たな役割評価に繋げる。