研究課題
若手研究
「難民の世紀」と呼ばれた20世紀が過ぎても、難民問題は国際社会の喫緊の課題となっている。本研究は、シリア難民問題を対象として、難民のキャリア形成とホスト社会への定着過程に関する地域間比較を実施することで、国民国家のブロック化が進む現代における平和共生社会の構築について議論を発展させる。本研究では、中東と欧州という2つの地域におけるシリア難民が、主体性を発揮して親族・地縁にもとづくネットワークなどを活用している実態をフィールド調査で明らかにする。さらに、中東と欧州のエンパワーメント政策の実態を究明し、シリア難民が主体的に開発する社会基盤がいかに平和共生を促進させうるのか考察を進める。