中枢において、ヒスタミンH1受容体(H1R)は睡眠・覚醒行動の制御に重要な役割を担っている。その傍ら、ヒスタミンは末梢においてアレルギー反応を仲介することから、その活性を抑制する抗ヒスタミン薬は、花粉症等のアレルギー患者にとって必要不可欠なものであるが、H1Rが標的である抗ヒスタミン薬は「眠気」を生じることが知られている。H1Rは睡眠覚醒遷移に重要であるとされるが、H1Rがどのように「眠気」を生成するのかという詳細なメカニズムは明らかではない。 本研究では、H1Rを介した徐波生成機構に焦点を当て、「眠気」に関する未解明の問題に新たな知見を得ることを目的とする。
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