本研究は、獣害対策の手段として語られることが多い現代日本の狩猟について、地域で実際に捕獲を担う地元狩猟者の実践に着目し、その通時的変容と多面的な意義を明らかにすることを目的とする。近年、狩猟は「獣害対策」か「趣味」かという二元論で単純化されがちであるが、地域社会や環境に精通し、独自の知識と技術を有する狩猟者の存在は、野生動物との共生を考える上で極めて重要である。本研究では、西日本の複数地域を対象に、聞き取り調査、質問紙調査、現地観察などを通じて、趣味的狩猟者の視点から現代狩猟の実態とその変化を実証的に捉える。
|