本研究では、3つの光周波数コムを、これまでにない光位相の精度で同期したトライコムシステムを構築し、時間分解テラヘルツ分光法(TRTS)を行う。TRTSでは3つの光パルスの到達時間の差を交互に掃引し、光ポンプ・THzプローブ分光とTHz時間領域分光を同時に行う必要があるが、繰り返し周波数のわずかに異なる3台の光コムを用いれば、時間差の掃引を自動的に行い、この二つの測定を高速に行うことができると考えた。さらに、完全周波数同期トライコムを用いたTRTS測定の計測スキームを新たに考案し、半導体検査のリアルタイム化を見据えた1秒以内でのTRTS測定の実現を目指す。
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