再生可能エネルギーとして注目される風力発電やバイオマス火力発電では,風や水蒸気の流れを回転運動に変換し,電力を得ている.この変換は風車やタービンの「キラル」な形状に依拠しており,分子レベルでキラルな液晶もまた,熱流を回転運動に変換可能であることが報告されている.本研究では,キラル液晶における熱-力学変換の起源として分子形状に注目し,キラル分光学を用いることで,捻れや長短といった幾何学的特徴の役割を解明する.さらに,量子力学・幾何学・熱力学の知見を統合することで,効率的なエネルギー変換に資する分子形状を明らかにする.
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