研究課題
基盤研究(A)
100 mK台の温度において希釈冷凍機への熱線の流入を抑え、中赤外誘導吸収分光を実現し、バルク励起子のボース凝縮を捉えることに成功した。時空間分解発光分光から、極低温下の励起子冷却過程、輸送等の物理を解明した。高品質ダイヤモンド単結晶において、時間分解紫外発光と中赤外誘導吸収の時間相関分光法を開発し、電子正孔液滴のキャリア密度を評価することに成功した。飛行時間型角度分解光電子分光法を用いて、高収率かつ高分解能での光励起状態計測を可能とするレーザー光電子分光法を開発した。同型の装置では世界最高水準のエネルギー分解能を実現し、半導体やトポロジカル絶縁体の光励起状態の高感度高精度検出を実現した。
極低温領域における精密分光、時間分解分光、吸収分光の開拓に挑戦し、半導体中の高密度電子正孔系が作り出す基底状態、協働現象、動的特性について新たな知見を得た。これにより、バルク半導体での励起子ボース凝縮を直接可視化することに成功し、60年以上の懸案に明確な結論を与えた。また従来の測定法に比べ極めて高収率な光電子分光装置を立ち上げ、高エネルギー分解能測定を実現した。光励起された電子のエネルギーと運動量のダイナミクスを高感度直接観測でき、固体が光励起により示す様々な機能について、電子系の振る舞いを通じて理解する新規手法を得たことは、物理学に限らず光化学など幅広い分野にとって有意義な成果である。
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cond-mat.mtrl-sci arXiv:1904.00418 (2019)
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