研究課題
基盤研究(A)
地球は約45.4億年の長い歴史をもつ、複雑・多様に進化した惑星である。しかし、その誕生を示す45.4億年前の物質は地球には残されていない。地球誕生から現存する最古の岩石が存在するまでの時代は冥王代と呼ばれ、その知識はいまだ冥い。本研究の目的は、物質学的研究によって、この昏冥の時代の固体地球進化を解読することである。私たちは地質試料がほとんど残されておらず、物質学的研究の困難なこの時代の研究を①太古代初期の地質体の詳細な地質調査に基づく残存冥王代地殻の探索、②消滅核種同位体分析、③総合的な冥王代ジルコン研究の三つの戦略で遂行する予定であったが、基盤S研究の採択により、本研究計画は辞退する。しかし、これらの研究は発展的に基盤S研究に引き継がれる。研究計画が開始してまだ数ヶ月ではあるが、研究の遂行に向け、着実に成果が得られている。①の研究に関連し、中国と南アフリカにおいて地質調査を行った。②に関連して、146Sm-142Nd消滅核種同位体系の分析法の確立をめざし、隕石物質の分析を実現した。また、182W/184W消滅核種同位体系分析をラブラドルのマントルカンラン岩を用いて行った。ラブラドルの表成岩は私たちの研究により世界最古(39.5億年前)であることが示されたので、本研究はこれまでのものよりも約1.4億年遡る最古のデータとなる。また、従来の研究では堆積岩や玄武岩・花崗岩質のもののみであったので、本研究の分析が最初の太古代最初期の超塩基性岩のデータとなる。分析の結果、これらの岩石から最大22ppmの異常が見られた。また、187Os/188Os同位体分析をアカスタ片麻岩体の苦鉄質岩において行い、約40億年前とする最古年代を得た。これらの成果を国内外の学会で発表した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Asian Earth Sciences
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