研究課題
基盤研究(B)
平成28年度は、統合ファイルシステム機構における不揮発性メインメモリの汎用化を、オペレーティングシステムのファイルシステムレイヤの一般的な拡張として実現するための研究を行った。不揮発性メインメモリは、その不揮発性によりストレージとしての機能を提供することができるが、ストレージとして一般的なブロックストレージよりも高性能であるため、その容量は制限されたものとなっている。そこで、不揮発性メインメモリのストレージとしての機能により汎用性を持たせるためには、容量の制限を緩和する必要がある。そこで、不揮発性メインメモリの汎用化では、不揮発性メインメモリに大容量のブロックストレージを組み合わせることにより、ストレージの容量を拡張する。ここで、ストレージの容量を透過的に拡張しつつ、不揮発性メインメモリの長所であるメモリインタフェースを維持することが設計の要点となる。メモリインタフェースを維持することで、同期的なアクセスが可能になり、アクセスの高速化が可能になる。不揮発性メインメモリの汎用化は、ファイルシステムレイヤの一般的な拡張として実現した。従来、デバイスドライバレベルで複数デバイスを統合する手法が提供されてきた。不揮発性メインメモリの汎用化も、デバイスドライバレベルで実現するのが自然な拡張である。しかしながら、デバイスドライバレベルでの実現では、メモリインタフェースを維持するために煩雑なインタフェースを提供する必要があり、またファイルシステムレベルでは利用可能な情報が利用できないという欠点があった。そこで、ファイルシステムレイヤで実現することで、インタフェースが単純化でき、またファイルシステムレベルでの情報を利用した高速化が可能であることがわかった。研究成果は、Linuxカーネルに実装し、メモリストレージに対応したファイルシステムを容易に汎用化できることを明かにした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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