研究課題
基盤研究(B)
予測符号化理論によれば 脳は常にモニターしながら作業モデルを生成、維持、更新している。そして、感覚入力があると、モデルの予測と比較して予測誤差がなければモデルを維持、不一致ならばモデルを更新する。我々はベータ波とガンマ波がこのような予測符号化のモデルを反映していると仮説を立てた。課題遂行中のサルの前頭葉領域より局所電場電位を記録し解析した。予測符号の生まれるボトムアップ処理の必要な更新時期ではベータ波は弱く、予測的な状況でトップダウン処理が必要な維持期では顕著に増強した。これらのことから予測符号化に従って、前頭葉では作業モデルの更新、維持がそれぞれ、ガンマ波とベータ波で行われると考えられた。
ベータ波は パーキンソン病などの脳疾患で更新しており、前頭葉と基底核でベータ波の同期が認められる事が知られている。このベータ波の意義は、我々の今回の結果に従えば予測符号化の、維持機構が強まり、逆に予測誤差で更新する機構が障害された状態と解釈できる。すなわち健常者での神経機構とパーキンソン病の神経系機構には、共通の神経基盤があり、そのバランスが崩れた状態と考えられる。このような予測符号化の神経機構の理解が、病態の新たな理解や治療方法の提案に貢献できると考えられる。
すべて 2019 2018 2017 2016 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 3件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 11件、 謝辞記載あり 8件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 9件、 招待講演 3件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Sci Rep.
巻: 9 号: 1 ページ: 3917-3917
10.1038/s41598-019-40688-2
Cerebal Cortex
巻: 27 号: 12 ページ: 5716-5726
10.1093/cercor/bhx234
J Neurophysiol.
巻: 118 号: 5 ページ: 2865-2883
10.1152/jn.00379.2016
Cereb Cortex
巻: 26 号: 8 ページ: 3442-52
10.1093/cercor/bhv163
J Neuroscience
巻: 36 号: 22 ページ: 5974-87
10.1523/jneurosci.4572-15.2016
PLoS Plos One.
巻: 11 号: 7 ページ: e0158572-e0158572
10.1371/journal.pone.0158572
Stem Cells
巻: 34 号: 1 ページ: 160-173
10.1002/stem.2206
Sci Rep
巻: 5 号: 1 ページ: 10059-3
10.1038/srep10059
Cereb Cortex. 2015
巻: 163 ページ: 1-5
Neural Netw
巻: 62 ページ: 62-66
10.1016/j.neunet.2014.06.004
Neural Networks
巻: 62 ページ: 67-73
10.1016/j.neunet.2014.06.009
J Neurophysiol
巻: 113 号: 3 ページ: 1001-1014
10.1152/jn.00128.2014
Scientific Report( in press)
巻: in press
http://www.neurophysiology.med.tohoku.ac.jp/