マウスモデルを用いた大腸がん転移機構の解明

• 研究課題/領域番号: 26290045
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 一部基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 腫瘍生物学
• 研究機関: 愛知県がんセンター(研究所)
• 研究代表者: 青木 正博 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 部長 (60362464)
• 研究分担者: 梶野 リエ 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部｀, 研究員 (20633184) ; 小島 康 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 主任研究員 (30464217) ; 藤下 晃章 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 主任研究員 (50511870) ; 佐久間 圭一朗 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 室長 (90402891)
• 連携研究者: 竹田 潤二 大阪大学, 医学研究科, 教授 (50163407)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円); 2017年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2016年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2015年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2014年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
• キーワード: 大腸がん / 転移 / マウスモデル / スプライシング / RNA結合タンパク / トランスポゾン / 遺伝子改変マウス / 動物実験 / 上皮間葉転換

研究成果の概要

本研究では、マウス生体での機能に基づいた探索により大腸がんの転移制御因子の同定を試み、HNRNPLLというRNA結合タンパクを見出した。大腸がん細胞でHNRNPLLの発現を低下させると転移能や浸潤能が亢進した。さらにHNRNPLLは、(1) CD44というタンパクをコードするpre-mRNAの選択的スプライシングを調節して大腸がん細胞の浸潤を抑制すること、(2) 大腸がん細胞の上皮間葉転換の際に発現が低下すること、(3) DNA複製因子をコードするmRNAの安定性を高めて大腸がん細胞の増殖を促進することを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Tumor microenvironment confers mTOR inhibitor resistance in invasive intestinal adenocarcinoma (2017)
  • 著者名/発表者名: Fujishita T, Kojima Y, Kajino-Sakamoto R, Taketo MM, Aoki M.
  • 雑誌名: Oncogene 巻: 36 号: 46 ページ: 6480-6489
  • DOI: 10.1038/onc.2017.242
  • 査読あり
• [雑誌論文] Global metabolic reprogramming of colorectal cancer occurs at adenoma stage and is induced by MYC (2017)
  • 著者名/発表者名: Satoh K, Yachida S, Sugimoto M, Oshima M, Nakagawa T, Akamoto S, Tabata S, Saitoh K, Kato K, Sato S, Igarashi K, Aizawa Y, Kajino-Sakamoto R, Kojima Y, Fujishita T, Enomoto A, Hirayama A, Ishikawa T, Taketo MM, Kushida Y, Haba R, Okano K, Tomita M, Suzuki Y, Fukuda S, Aoki M, Soga T.
  • 雑誌名: Proc Natl Acad Sci U S A 巻: 114 号: 37
  • DOI: 10.1073/pnas.1710366114
  • 査読あり
• [雑誌論文] Differences in Urinary Renal Failure Biomarkers in Cancer Patients Initially Treated with Cisplatin (2017)
  • 著者名/発表者名: Maeda A, Ando H, Ura T. Muro K, Aoki M, Saito K, Kondo E, Takahashi S, Ito Y, Mizuno Y, Fujimura A
  • 雑誌名: Anticancer Research 巻: 37 号: 9 ページ: 5235-5339
  • DOI: 10.21873/anticanres.11947
  • 査読あり
• [雑誌論文] Association between and polymorphisms and adverse drug reactions to regorafenib: A preliminary study (2017)
  • 著者名/発表者名: Maeda A, Ando H, Ura T, Komori A, Hasegawa A, Taniguchi H, Kadowaki S, Muro K, Tajika M, Kobara M, Matsuzaki M, Hashimoto N, Maeda M, Kojima Y, Aoki M, Kondo E, Mizutani A, Fujimura A.
  • 雑誌名: Int. J. Clin. Pharmacol. Ther 巻: epub ahead of print 号: 05 ページ: 409-415
  • DOI: 10.5414/cp202788
  • 査読あり
• [雑誌論文] HNRNPLL, a newly identified colorectal cancer metastasis suppressor, modulates alternative splicing of CD44 during epithelial-mesenchymal transition (2017)
  • 著者名/発表者名: Sakuma K, Sasaki E, Kimura K, Komori K, Shimizu Y, Yatabe Y, Aoki M
  • 雑誌名: Gut 巻: epub ahead of print 号: 6 ページ: 1103-1111
  • DOI: 10.1136/gutjnl-2016-312927
  • 査読あり
• [雑誌論文] Genomic loss of DUSP4 contributes to the progression of intraepithelial neoplasm of pancreas to invasive carcinoma. (2016)
  • 著者名/発表者名: Hijiya N, Tsukamoto Y, Nakada C, Tung NL, Kai T, Matsuura K, Shibata K, Inomata M, Uchida T, Tokunaga A, Amada K, Shirao K, Yamada Y, Mori H, Takeuchi I, Seto M, Aoki M, Takekawa M, Moriyama M.
  • 雑誌名: Cancer Res. 巻: 76 号: 9 ページ: 2612-2625
  • DOI: 10.1158/0008-5472.can-15-1846
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Antitumor activity of the MEK inhibitor trametinib on intestinal polyp formation in ApcΔ716 mice involves stromal COX-2. (2015)
  • 著者名/発表者名: Fujishita T, Kajino-Sakamoto R, Kojima Y, Taketo MM, Aoki M.
  • 雑誌名: Cancer Science 巻: 5（予定） 号: 6 ページ: 692-699
  • DOI: 10.1111/cas.12670
  • NAID: 120005767023
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [学会発表] 浸潤性腸がんのmTOR阻害薬抵抗性獲得にはがん微小環境が関与する (2017)
  • 著者名/発表者名: 青木正博、藤下晃章
  • 学会等名: 第21回日本がん分子標的治療学会学術集会
• [学会発表] がん悪液質の代謝異常 (2017)
  • 著者名/発表者名: 青木正博、小島康、曽我朋義
  • 学会等名: 第5回がんと代謝研究会
• [学会発表] 新規大腸がん転移抑制因子HNRNPLLは上皮間葉転換においてCD44の選択的スプライシングを制御する (2017)
  • 著者名/発表者名: 青木正博
  • 学会等名: 第26回日本がん転移学会学術集会
• [学会発表] がん微小環境は浸潤性大腸がんにmTOR阻害薬抵抗性をもたらす (2017)
  • 著者名/発表者名: 藤下晃章
  • 学会等名: 次世代を担う創薬・医療薬理シンポジウム2017
• [学会発表] がん悪液質マウスモデルにおける全身的代謝異常 (2017)
  • 著者名/発表者名: 青木正博、小島康、曽我朋義
  • 学会等名: 第76回日本癌学会学術総会
• [学会発表] 腸管腫瘍の薬剤抵抗性獲得におけるEGF受容体の役割 (2017)
  • 著者名/発表者名: 藤下晃章，津田都子、小島康、武藤誠、青木正博
  • 学会等名: 第76回日本癌学会学術総会
• [学会発表] エルロチニブとトラメチニブの併用投与はcis-Apc/Smad4マウスの腸管腺がん形成を抑制する (2017)
  • 著者名/発表者名: 津田都子、藤下晃章、小島康、武藤誠、青木正博
  • 学会等名: 第76回日本癌学会学術総会
• [学会発表] Apc+/Δ716マウスの腸管腫瘍形成において腸上皮細胞のMyD88が果たす役割の解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 梶野リエ、藤下晃章、武藤誠、青木正博
  • 学会等名: 第76回日本癌学会学術総会
• [学会発表] 新規がん悪液質マウスモデルの表現型解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 小島康、曽我朋義、武藤誠、青木正博
  • 学会等名: 第76回日本癌学会学術総会
• [学会発表] HNRNPLLは大腸がん細胞のEMTとMETにおける形質変化に関与する (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐久間圭一朗、青木正博
  • 学会等名: 第76回日本癌学会学術総会
• [学会発表] Apc 変異マウスの腫瘍形成における腸管上皮細胞 MyD88の役割の解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 青木正博
  • 学会等名: Conbio 2017
• [学会発表] An in vivo sh RNA screen identifies HNRNPLL as a novel colorctal cancer metastasis (2016)
  • 著者名/発表者名: Aoki, M. Sakuma, K.
  • 学会等名: Tenth AACR-JCA Joint Conference on Breakthroughs in Cancer Research: From Biology to Therapeutics
  • 発表場所: Lahaina (USA)
  • 年月日: 2016-02-19
• [学会発表] shRNAライブラリーを用いたスクリーニングによる新規大腸がん転移抑制因子HNRNPLLの同定 (2016)
  • 著者名/発表者名: 青木正博
  • 学会等名: 第20回日本分子標的治療学会学術集会
  • 発表場所: 別府国際コンベンションセンター（大分県・別府市）
• [学会発表] MEK阻害剤trametinibによる間質を介した腸管腫瘍形成抑制およびmTOR阻害薬耐性の回避 (2016)
  • 著者名/発表者名: 青木正博、藤下晃章
  • 学会等名: 第68回日本細胞生物学会大会
  • 発表場所: 京都テルサ（京都府・京都市）
• [学会発表] Identification of HNRNPLL as a novel metastasis suppressor of colorectal cancer (2016)
  • 著者名/発表者名: 青木正博、佐久間圭一朗
  • 学会等名: 第41回内藤コンファレンス
  • 発表場所: シャトレーゼ ガトーキングダム サッポロ（北海道・札幌市）
• [学会発表] がん微小環境は浸潤性腸がんのmTOR阻害薬抵抗性獲得に関与する (2016)
  • 著者名/発表者名: 藤下晃章、梶野リエ、小島康、武藤誠、青木正博
  • 学会等名: 第75回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県・横浜市）
• [学会発表] 新規大腸がん転移抑制因子HNRNPLLによってスプライシングを受ける遺伝子の同定 (2016)
  • 著者名/発表者名: 佐久間圭一朗、青木正博
  • 学会等名: 第75回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県・横浜市）
• [学会発表] II型脱ヨード酵素の大腸がん進展における役割 (2016)
  • 著者名/発表者名: 小島康、今度ゆりこ、藤下晃章、梶野リエ、武藤誠、青木正博
  • 学会等名: 第75回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県・横浜市）
• [学会発表] 腸管腫瘍形成における JNK-mTORC1 経路活性化と神経伝達物質の関連の解明 (2016)
  • 著者名/発表者名: 梶野リエ、藤下晃章、武藤誠、青木正博
  • 学会等名: 第75回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県・横浜市）
• [学会発表] 大腸がんマウスモデルとオルガノイド 培養を用いた腫瘍形成における低酸素 シグナルの役割の解明 (2016)
  • 著者名/発表者名: 梶野リエ、青木正博
  • 学会等名: 第14回がんとハイポキシア研究会
  • 発表場所: 岐阜グランドホテル（岐阜県・岐阜市）
• [学会発表] 大腸がんの新規転移抑制因子HNRNPLLは上皮間葉転換におけるCD44の選択的スプライシングを制御する (2016)
  • 著者名/発表者名: 青木正博
  • 学会等名: 第39回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県・横浜市）
• [学会発表] 腸管腫瘍形成における甲状腺ホルモンの役割 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小島康、オリム・フローレンス、藤下晃章、武藤誠、青木正博
  • 学会等名: 第38回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド（兵庫県・神戸市）
  • 年月日: 2015-12-01
• [学会発表] 大腸がん転移抑制因子候補HNRPLLは上皮間葉転換によって負の制御を受ける (2015)
  • 著者名/発表者名: 佐久間圭一朗、青木正博
  • 学会等名: 第74回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県・名古屋市）
  • 年月日: 2015-10-10
• [学会発表] 腸管腫瘍形成におけるJNK-mTORC1経路活性化機序の解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 梶野リエ、藤下晃章、小島康、武藤誠、青木正博
  • 学会等名: 第74回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県・名古屋市）
  • 年月日: 2015-10-10
• [学会発表] マウスモデルを用いた大腸がん浸潤･転移の予防･治療標的の探索 (2015)
  • 著者名/発表者名: 青木正博、藤下晃章、武藤誠
  • 学会等名: 第74回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県・名古屋市）
  • 年月日: 2015-10-08
  • 招待講演
• [学会発表] MEK/ERK経路の阻害はCOX2およびCCL2の発言レベルを減少させ腸管ポリープ形成を抑制する (2015)
  • 著者名/発表者名: 藤下晃章、梶野リエ、小島康、武藤誠、青木正博
  • 学会等名: 第74回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県・名古屋市）
  • 年月日: 2015-10-08
• [学会発表] II型脱ヨード酵素の大腸がん進展における役割の検討 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小島康、藤下晃章、武藤誠、青木正博
  • 学会等名: 第74回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県・名古屋市）
  • 年月日: 2015-10-08
• [学会発表] MEK阻害薬trametinibによるAｐｃ△716マウスの腸管ポリープ形成抑制効果と間質COX-2の関与 (2015)
  • 著者名/発表者名: 青木正博、武藤誠、藤下晃章
  • 学会等名: 第19回日本分子標的治療学会学術集会
  • 発表場所: 松山全日空ホテル（愛媛県・松山市）
  • 年月日: 2015-06-11
• [学会発表] Simultaneous inhibition of mTOR and EGFR suppresses local invasion in intestinal adenocarcinoma in cis-ApcΔ716/Smad4 mice. (2014)
  • 著者名/発表者名: 青木 正博、武藤 誠、藤下晃章
  • 学会等名: 第37会日本分子生物学会年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(横浜市)
  • 年月日: 2014-11-25
• [学会発表] Apc+/Δ716マウスの腸管腫瘍におけるJNK-mTORC1経路活性化機序の解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 梶野 リエ、藤下 晃章、小島 康、武藤 誠、青木 正博
  • 学会等名: 第37会日本分子生物学会年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(横浜市)
  • 年月日: 2014-11-25
• [学会発表] 腸管腫瘍形成における JNK-mTORC1 経路活性化機序の解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 梶野 リエ、藤下 晃章、小島 康、武藤 誠、青木 正博
  • 学会等名: 第73回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(横浜市)
  • 年月日: 2014-09-27
• [学会発表] EGF受容体の活性化は大腸がんモデルマウスの大腸がんに mTORキナーゼ阻害薬に対する耐性をもたらす (2014)
  • 著者名/発表者名: 藤下 晃章、武藤 誠、青木 正博
  • 学会等名: 第73回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(横浜市)
  • 年月日: 2014-09-26
• [学会発表] shRNA ライブラリーを用いた大腸がん転移抑制遺伝子のゲノムワイドスクリーニング (2014)
  • 著者名/発表者名: 佐久間 圭一朗、青木正博
  • 学会等名: 第73回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(横浜市)
  • 年月日: 2014-09-26
• [学会発表] MEK阻害薬トラメチニブによる Apc 変異マウスの腸管ポリープ形成抑制効果 (2014)
  • 著者名/発表者名: 青木正博、梶野リエ、武藤誠、藤下晃章
  • 学会等名: 第73回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(横浜市)
  • 年月日: 2014-09-25
• [備考] 愛知県がんセンター研究所部門紹介がん病態生理学分野
  • URL: http://www.pref.aichi.jp/cancer-center/ri/01bumon/07bunshi_byotai/index.html
• [備考] 愛知県がんセンター研究所・部門紹介・分子病態学部
  • URL: http://www.pref.aichi.jp/cancer-center/ri/01bumon/07bunshi_byotai/