遺伝的多様性維持機構の解明：ヤチネズミ個体群の空間構造と個体数変動に着目して

• 研究課題/領域番号: 26291086
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 一部基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生態・環境
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 齊藤 隆 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (00183814)
• 研究分担者: 荒木 仁志 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20707129)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円); 2016年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円); 2015年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円); 2014年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
• キーワード: 生物多様性 / 集団遺伝学 / 生態学 / 環境 / 動物 / 遺伝的多様性 / 国際研究者交流 / スウェーデン

研究成果の概要

mtDNAとncDNAの多様性は，理論上，mtDNAの方が著しく低くなると予想されている。これを実証するために，哺乳類，鳥類個体群の観察と個体群構造の分析を行った。その結果，予測とは異なり，多くの個体群でmtDNAの多様性がncDNAよりも高かった。これは，突然変異率がmtDNAでより高いという性質で説明できたが，データの大きなばらつきは個体数変動の結果であると考えられた。哺乳類，鳥類間の違い（哺乳類でmtDNAの多様性がより高い）は，分散行動の性差の違いで説明できた。これらの結果は，遺伝的多様性の維持機構において個体群構造が重要な機能を持つという報告者の仮説を支持するものである。

研究成果

• [国際共同研究] スウェーデン農科大学(スウェーデン)
• [雑誌論文] Population dynamics, synchrony, and environmental quality of Hokkaido voles lead to temporal and spatial Taylor's laws (2016)
  • 著者名/発表者名: Cohen JE, Saitoh T
  • 雑誌名: Ecology 巻: 97 号: 12 ページ: 3402-3413
  • DOI: 10.1002/ecy.1575
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Conservation and management of terrestrial mammals in Japan: its organizational system and practices (2015)
  • 著者名/発表者名: Saitoh T, Kaji K, Izawa M, Yamada F
  • 雑誌名: Therya 巻: 66 号: 1 ページ: 139-153
  • DOI: 10.12933/therya-15-239
  • 査読あり
• [雑誌論文] Change in spatial genetic structure of an expanding population of the sika deer during recent 15 years in Hokkaido (2014)
  • 著者名/発表者名: Ou W, Takekawa S, Yamada T, Masuda R, Nagata J, Uno H, Saitoh T
  • 雑誌名: Population Ecology 巻: 56 号: 2 ページ: 311-325
  • DOI: 10.1007/s10144-013-0425-y
  • 査読あり
• [雑誌論文] 島嶼ルールと局所適応：ヤクシカを中心に面積と地形の関係について考える (2014)
  • 著者名/発表者名: 寺田千里・齊藤隆
  • 雑誌名: 生物科学 巻: 66 ページ: 24-29
  • 査読あり
• [雑誌論文] Demographic analysis of a fox population suffering from sarcoptic mange. (2014)
  • 著者名/発表者名: Uraguchi K, Iijima H, Ueno M, Saitoh T
  • 雑誌名: Journal of Wildlife Management 巻: 78 号: 8 ページ: 1356-1371
  • DOI: 10.1002/jwmg.794
• [学会発表] An ecological mechanism of genetic variation maintenance in a finite population focusing the difference in inheritance system between mtDNA and nuclear DNA. (2016)
  • 著者名/発表者名: Saitoh T
  • 学会等名: The 32th Annual Meeting of the Society of Population Ecology
  • 発表場所: 定山渓温泉ホテル鹿の湯（北海道札幌市）
  • 年月日: 2016-11-03
• [学会発表] An ecological mechanism of maintaining high genetic diversity in rodent populations (2016)
  • 著者名/発表者名: T. Saitoh, S. Akimoto, and M. Sugiki
  • 学会等名: 第７回東アジア生態学会連合大会
  • 発表場所: 大邱市（韓国）
  • 年月日: 2016-04-21
  • 国際学会
• [学会発表] An ecological mechanism of maintaining high genetic diversity in rodent populations. (2016)
  • 著者名/発表者名: Saitoh T
  • 学会等名: The 7th EAFES International Congress
  • 発表場所: 大邱，韓国
  • 年月日: 2016-04-20
  • 国際学会
• [学会発表] マルチプルパタニティ頻度を用いた複数オス交尾頻度の推定- エゾヤチネズミを例に (2016)
  • 著者名/発表者名: 若林紘子，齊藤隆
  • 学会等名: 第63回日本生態学会大会
  • 発表場所: 仙台国際センター（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2016-03-22
• [学会発表] 北海道に同所的に生息する3 種の野ネズミにおけるタンニン摂取量の季節変化 (2016)
  • 著者名/発表者名: 秋元 佑香，小野寺 緑也，島田 卓哉，齊藤 隆
  • 学会等名: 第63回日本生態学会大会
  • 発表場所: 仙台国際センター（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2016-03-22
• [学会発表] 遺伝的多様性の年次変化と密度・分散の関係：変動様式が違うヤチネズミ個体群の比較 (2016)
  • 著者名/発表者名: 秋元佐紀，山田敏也，齊藤隆
  • 学会等名: 第63回日本生態学会大会
  • 発表場所: 仙台国際センター（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2016-03-22
• [学会発表] Population dynamics of Hokkaido voles leads to Taylor’s law (2015)
  • 著者名/発表者名: Takashi Saitoh, Joel E. Cohen
  • 学会等名: 第31回個体群生態学会大会
  • 発表場所: 滋賀県立大学（滋賀県彦根市）
  • 年月日: 2015-10-11
• [学会発表] Population dynamics of Hokkaido voles leads to Taylor’s law (2015)
  • 著者名/発表者名: Takashi Saitoh, Joel E. Cohen
  • 学会等名: 第13回欧州生態学会連合大会
  • 発表場所: ローマ市（イタリア）
  • 年月日: 2015-09-25
  • 国際学会
• [学会発表] Convincing interpretations on different responses of rodent populations to acorn masting (2015)
  • 著者名/発表者名: Takashi Saitoh, Takuya Shimada
  • 学会等名: 第100回米国生態学会大会
  • 発表場所: ボルティモア市（米国）
  • 年月日: 2015-08-12
  • 国際学会
• [学会発表] How Are Wildlife Populations Spatially Organized? (2015)
  • 著者名/発表者名: Takashi Saitoh
  • 学会等名: 第5回国際野生動物管理学会議
  • 発表場所: 札幌コンベンションセンター（北海道札幌市）
  • 年月日: 2015-07-27
  • 国際学会
• [学会発表] A Sika Deer Population Can Be Spatially Differentiated Even in a Small Habitat: A Case Study on the Yakushima Island Spatially Organized? (2015)
  • 著者名/発表者名: Chisato Terada, Tetsukazu Yahara, Arika Kuroiwa, Takashi Saitoh
  • 学会等名: 第5回国際野生動物管理学会議
  • 発表場所: 札幌コンベンションセンター（北海道札幌市）
  • 年月日: 2015-07-27
  • 国際学会
• [学会発表] Different Processes of Acclimation to Acorn Tannins in the Three Sympatric Forest-Dwelling Rodent Species in the Field of Hokkaido, Japan (2015)
  • 著者名/発表者名: Yuka Akimoto, Rokuya Onodera, Takuya Shimada, Takashi Saitoh
  • 学会等名: 第5回国際野生動物管理学会議
  • 発表場所: 札幌コンベンションセンター（北海道札幌市）
  • 年月日: 2015-07-27
  • 国際学会
• [学会発表] Annual Changes of Spatial Genetic Structure in Gray-Sided Vole Populations (2015)
  • 著者名/発表者名: Saki Akimoto, Toshiya Yamada, Takashi Saitoh
  • 学会等名: 第5回国際野生動物管理学会議
  • 発表場所: 札幌コンベンションセンター（北海道札幌市）
  • 年月日: 2015-07-27
  • 国際学会
• [学会発表] Effects of Population Fluctuation on Genetic Diversity in the Gray-Sided Vole Myodes rufocanus: A Comparison of Genetic Diversity between Cyclic and Non-Cyclic Populations (2015)
  • 著者名/発表者名: Chikara Kusakabe, Takashi Saitoh
  • 学会等名: 第5回国際野生動物管理学会議
  • 発表場所: 札幌コンベンションセンター（北海道札幌市）
  • 年月日: 2015-07-27
  • 国際学会
• [学会発表] Iterspecific Variation of Testes Size and Sperm Morphology Can Be Explained by an Index of Sperm Competition (Multiple Paternity) in Field Mice (2015)
  • 著者名/発表者名: Hiroko Wakabayashi, Takashi Saitoh
  • 学会等名: 第5回国際野生動物管理学会議
  • 発表場所: 札幌コンベンションセンター（北海道札幌市）
  • 年月日: 2015-07-27
  • 国際学会
• [学会発表] エゾヤチネズミ個体群の遺伝的空間構造の年次変化：個体数変動パターンが異なる2 個体群間の比較 (2015)
  • 著者名/発表者名: 山田敏也，杉木学，銭谷純平，秋元佐紀， 石橋靖幸，齊藤隆
  • 学会等名: 日本生態学会
  • 発表場所: 鹿児島大学（鹿児島県鹿児島市）
  • 年月日: 2015-03-19
• [学会発表] アカネズミとヒメネズミの配偶システム- マルチ プルパタニティに着目して (2015)
  • 著者名/発表者名: 若林紘子，齊藤隆
  • 学会等名: 日本生態学会
  • 発表場所: 鹿児島大学（鹿児島県鹿児島市）
  • 年月日: 2015-03-19
• [学会発表] 同所的に生息する3 種の野ネズミにおけるドン グリ中のタンニンに対する耐性能力の比較 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小野寺 緑也， 秋元 佑香，島田 卓哉，齊藤隆
  • 学会等名: 日本生態学会
  • 発表場所: 鹿児島大学（鹿児島県鹿児島市）
  • 年月日: 2015-03-19
• [学会発表] エゾシカ個体群の遺伝的空間構造の境界は障壁 によってつくられるのか、距離による隔離なのか？ (2015)
  • 著者名/発表者名: 三澤桃，欧巍，山田敏也，齊藤隆，宇野裕之
  • 学会等名: 日本生態学会
  • 発表場所: 鹿児島大学（鹿児島県鹿児島市）
  • 年月日: 2015-03-19