分裂酵母のピルビン酸転移酵素変異体を用いた新奇糖鎖の酵素合成と糖鎖工学への応用

• 研究課題/領域番号: 26292054
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 一部基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 応用生物化学
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 竹川 薫 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50197282)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円); 2016年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円); 2015年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円); 2014年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
• キーワード: 分裂酵母 / 糖タンパク質 / シアル酸 / ピルビン酸 / 糖鎖工学 / 酸性糖鎖 / バイオテクノロジー / 微生物 / ピルビン酸含有糖鎖 / N-結合型糖鎖

研究成果の概要

分裂酵母の糖タンパク質糖鎖には、ピルビン酸化されたガラクトースが存在する。分裂酵母のピルビン酸付加に重要なピルビン酸転移酵素について諸性質の解析を行った。本酵素はβ結合のガラクトースに特異的で、ラクトース(Gal-Glc)のガラクトースにはピルビン酸を付加できるが、Gal-GlcNAcには付加できないことがわかった。そこでPvg1タンパク質のX線構造解析を行った所、還元末端のグルコースの2位の位置に168番目のヒスチジンが極めて隣接していることが予想された。解析の結果、Pvg1H168A変異体はPvg1野生型が転移できなかったGal-GlcNAcへピルビン酸を転移できることが明らかになった。

研究成果

• [雑誌論文] Highly efficient transglycosylation of sialo-complex-type oligosaccharide using Coprinopsis cinerea endoglycosidase and sugar oxazoline. (2017)
  • 著者名/発表者名: Higuchi Y, Eshima Y, Huang Y, Kinoshita T, Sumiyoshi W, Nakakita S, Takegawa K
  • 雑誌名: Biotechnology Letters 巻: 39 号: 1 ページ: 8-12
  • DOI: 10.1016/j.bbrc.2016.10.018
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] A rationally engineered yeast pyruvyltransferase Pvg1p introduces sialylation-like properties in neo-human-type complex oligosaccharide. (2016)
  • 著者名/発表者名: Higuchi Y, Yoshinaga S, Yoritsune K, Tateno H, Hirabayashi J, Nakakita S, Kanekiyo M, Kakuta Y, Takegawa K.
  • 雑誌名: Sci Rep 巻: 6 号: 1 ページ: 26349-26349
  • DOI: 10.1038/srep26349
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Transglycosylation activity of glycosynthase mutants of endo-β-N-acetylglucosaminidase from Coprinopsis cinerea. (2015)
  • 著者名/発表者名: Eshima Y, Higuchi Y, Kinoshita T, Nakakita S, Takegawa K
  • 雑誌名: PLOS ONE 巻: 10 号: 7 ページ: e0132859-e0132859
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0132859
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Vsl1p cooperates with Fsv1p for vacuolar protein transport and homotypic fusion in Schizosaccharomyces pombe. (2015)
  • 著者名/発表者名: Hosomi A, Higuchi Y, Yagi S, Takegawa K
  • 雑誌名: Microbiology 巻: 161 号: 1 ページ: 89-98
  • DOI: 10.1099/mic.0.080481-0
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Functional analysis of putative phosphoenolpyruvate transporters localized to the Golgi apparatus in Schizosaccharomyces pombe. (2014)
  • 著者名/発表者名: Yoritsune KI, Higuchi Y, Matsuzawa T, Takegawa K
  • 雑誌名: FEMS Yeast Res 巻: 14 ページ: 1101-1109
  • DOI: 10.1111/1567-1364.12207
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [学会発表] Bacillus 属細菌由来ピルビン酸化ガラクトース含有糖鎖分解酵素の諸性質の解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 松藤仁美, 樋口裕次郎, 竹川 薫
  • 学会等名: 第68回日本生物工学会大会
  • 発表場所: 富山国際会議場
  • 年月日: 2016-09-28
• [学会発表] Transglycosylation activity of Coprinopsis cinerea endoglycosidase mutants enabling the synthesis of glycoproteins using synthetic sialo-complex-type sugar oxazoline (2016)
  • 著者名/発表者名: Huang Y, Eshima Y, Kinoshita T, Sumiyoshi W, Nakakita S, Higuchi Y, Takegawa K
  • 学会等名: 日本農芸化学会2016年度西日本支部大会
  • 発表場所: 長崎大学
  • 年月日: 2016-09-15
• [学会発表] Bacillus 属細菌由来ピルビン酸化ガラクトース含有糖鎖を分解する酵素の諸性質の解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 松藤仁美, 伏信進矢, 樋口裕次郎, 竹川 薫
  • 学会等名: 日本農芸化学会2016年度西日本支部大会
  • 発表場所: 長崎大学
  • 年月日: 2016-09-15
• [学会発表] エンドグリコシダーゼを利用した糖タンパク質糖鎖改変技術 (2016)
  • 著者名/発表者名: 竹川 薫
  • 学会等名: 第35回日本糖質学会年会
  • 発表場所: 高知県高知市
  • 年月日: 2016-09-01
  • 招待講演
• [学会発表] 微生物におけるエンドグリコシダーゼの役割と糖鎖機能解析への応用 (2016)
  • 著者名/発表者名: 竹川 薫
  • 学会等名: 第40回蛋白質と酵素の構造と機能に関する九州シンポジウム
  • 発表場所: 鹿児島県指宿市
  • 年月日: 2016-08-26
  • 招待講演
• [学会発表] Efficient transfer of oligosaccharides onto proteins by combined use of Coprinus cinerea endoglycosidase and synthetic sialo-complex-type sugar oxazoline. (2016)
  • 著者名/発表者名: Huang Y, Eshima Y, Kinoshita T, Sumiyoshi W, Nakakita S, Higuchi Y, Takegawa K
  • 学会等名: 第53回化学関連支部合同九州大会
  • 発表場所: 北九州国際会議場
• [学会発表] 担子菌由来のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ変異体を用いた均一糖鎖含有糖タンパク質の酵素合成 (2015)
  • 著者名/発表者名: 江島康成、竹川 薫
  • 学会等名: 日本生物工学会第22回九州支部宮崎大会
  • 発表場所: 宮崎大学
  • 年月日: 2015-12-05
• [学会発表] Bacillus属細菌由来ピルビン酸化ガラクトース含有糖鎖分解酵素の同定と諸性質の解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 松藤仁美、樋口裕次郎、竹川 薫
  • 学会等名: 日本生物工学会第22回九州支部宮崎大会
  • 発表場所: 宮崎大学
  • 年月日: 2015-12-05
• [学会発表] 組換え糖タンパク質生産システムの開発とその応用 (2015)
  • 著者名/発表者名: 竹川 薫
  • 学会等名: 第25回WSフォーラム
  • 発表場所: 九州大学
  • 年月日: 2015-11-21
  • 招待講演
• [学会発表] Identification and characterization of endo-β-N-acetylglucosaminidases from basidiomycete. (2015)
  • 著者名/発表者名: Eshima Y, Higuchi Y, Kinoshita T, Nakakita S, Takegawa K
  • 学会等名: International Symposium on Agricultural, Food, Environment and Life Science in Asia
  • 発表場所: 鳥取県倉吉市
  • 年月日: 2015-11-04
  • 国際学会
• [学会発表] 複合型糖鎖を遊離・転移する担子菌Coprinopsis cinerea由来のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼの諸性質の解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 江島康成、竹川 薫
  • 学会等名: 第67回日本生物工学会大会
  • 発表場所: 鹿児島市
  • 年月日: 2015-10-26
• [学会発表] ピルビン酸化ガラクトース含有糖鎖を分解する酵素の検索および同定と特性解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 松藤仁美、森一樹、田代康介、久原 哲、樋口裕次郎、竹川 薫
  • 学会等名: 第67回日本生物工学会大会
  • 発表場所: 鹿児島市
  • 年月日: 2015-10-26
• [学会発表] Bacillus属細菌が生産するピルビン酸化ガラクトース含有糖鎖分解酵素の同定と諸性質の解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 松藤仁美、樋口裕次郎、竹川 薫
  • 学会等名: 日本農芸化学会中四国支部・西日本支部合同大会
  • 発表場所: 愛媛大学
  • 年月日: 2015-09-17
• [学会発表] ピルビン酸化ガラクトース含有糖鎖を分解する酵素の同定と諸性質の解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 松藤仁美、森 一樹、田代康介、久原 哲、樋口裕次郎、竹川 薫
  • 学会等名: 第34回日本糖質学会年会
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 2015-07-31
• [学会発表] ピルビン酸転移酵素変異体を用いた新奇酸性複合型糖鎖の合成 (2015)
  • 著者名/発表者名: 竹川 薫、吉永 将、頼経健一、舘野浩章、平林 淳、中北愼一、角田佳充、樋口裕次郎
  • 学会等名: 第34回日本糖質学会年会
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 2015-07-31
• [学会発表] バイオ医薬品製造に向けた糖鎖改変・分析技術の開発 (2015)
  • 著者名/発表者名: 竹川 薫
  • 学会等名: 第52回化学関連支部合同九州大会
  • 発表場所: 北九州市
  • 年月日: 2015-06-27
  • 招待講演
• [学会発表] ピルビン酸化ガラクトース含有糖鎖の分解に必要な酵素の同定と諸性質の解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 松藤仁美、森 一樹、田代康介、久原 哲、樋口裕次郎、竹川 薫
  • 学会等名: 第52回化学関連支部合同九州大会
  • 発表場所: 北九州市
  • 年月日: 2015-06-27
• [学会発表] 分裂酵母糖鎖中のピルビン酸化ガラクトースの生合成に関与するタンパク質の機能解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 庭山智史、樋口裕次郎、竹川 薫
  • 学会等名: 第52回化学関連支部合同九州大会
  • 発表場所: 北九州市
  • 年月日: 2015-06-27
• [学会発表] Neo-human-type oligosaccharide that imitates sialylation developed by structural analysis of fission yeast pyruvyltransferase Pvg1p. (2015)
  • 著者名/発表者名: Takegawa K, Yoshinaga S, Yoritsune K, Tateno H, Hirabayashi J, Nakakita S, Kanekiyo M, Kakuta Y, Higuchi Y
  • 学会等名: 8th International Fission Yeast Meeting
  • 発表場所: 神戸市
  • 年月日: 2015-06-21
  • 国際学会
• [学会発表] 分裂酵母におけるピルビン酸化ガラクトースの生合成に関与するタンパク質の機能解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 庭山智史、樋口裕次郎、竹川 薫
  • 学会等名: 日本生化学会九州支部例会
  • 発表場所: 九州大学
  • 年月日: 2015-05-16
• [学会発表] ピルビン酸化ガラクトース含有糖鎖を分解する酵素の同定と諸性質の解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 松藤仁美、森 一樹、田代康介、久原 哲、樋口裕次郎、竹川 薫
  • 学会等名: 日本生化学会九州支部例会
  • 発表場所: 九州大学
  • 年月日: 2015-05-16
• [学会発表] 組換え糖タンパク質医薬品製造に有用な酵素類の探索と利用 (2015)
  • 著者名/発表者名: 竹川 薫
  • 学会等名: 複合糖質・糖鎖研究会
  • 発表場所: 高松市
  • 年月日: 2015-01-31
  • 招待講演
• [学会発表] ピルビン酸転移酵素変異体を用いた新奇ピルビン酸含有糖鎖の酵素合成 (2014)
  • 著者名/発表者名: 吉永 将、頼経健一、中北慎一、舘野浩章、平林 淳、竹川 薫
  • 学会等名: 日本生物工学会第21回九州支部熊本大会
  • 発表場所: 熊本大学
  • 年月日: 2014-12-06
• [学会発表] 糖鎖末端のガラクトースをめぐる真核微生物の生存戦略 (2014)
  • 著者名/発表者名: 竹川 薫
  • 学会等名: 第8回多糖の未来フォーラム
  • 発表場所: 九州大学
  • 年月日: 2014-11-06
  • 招待講演
• [学会発表] 組換え糖タンパク質医薬品製造に必要なツール開発―新規酵素の検索と最適化― (2014)
  • 著者名/発表者名: 竹川 薫
  • 学会等名: 第5回グライコバイオロジクス研究会
  • 発表場所: 臨床研究情報センター（神戸市）
  • 年月日: 2014-11-01
  • 招待講演
• [学会発表] ピルビン酸転移酵素変異体を用いたピルビン酸含有N-結合型糖鎖の酵素合成 (2014)
  • 著者名/発表者名: 吉永 将、頼経健一、中北慎一、舘野浩章、平林 淳、竹川 薫
  • 学会等名: 平成26年度日本農芸化学会西日本支部大会
  • 発表場所: 佐賀大学
  • 年月日: 2014-09-18 – 2014-09-19
• [産業財産権] ピルビン酸含有複合型糖鎖の製造方法、ピルビン酸含有複合型糖鎖修飾タンパク質の製造方法、ピルビン酸含有複合型糖鎖およびピルビン酸含有複合型糖鎖修飾タンパク質 (2014)
  • 発明者名: 九州大学
  • 権利者名: 九州大学
  • 産業財産権種類: 特許
  • 出願年月日: 2014-08-22
  • 外国