研究課題/領域番号 |
26293221
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 一部基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
船橋 徹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60243234)
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研究分担者 |
前田 法一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30506308)
西澤 均 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20379259)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
採択 (2015年度)
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配分額 *注記 |
11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2015年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2014年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 内臓脂肪 / アディポサイトカイン |
研究実績の概要 |
内臓脂肪蓄積は糖代謝・脂質代謝・血圧の異常に加え、アディポネクチン分泌不全を始めとするアディポサイトカイン異常や易炎症性、易血栓性を伴い動脈硬化性疾患にいたる。本研究は1)内臓脂肪蓄積特異的な流血中の炎症細胞発現遺伝子を同定し、2)生体イメージング技術により炎症細胞を可視化し脂肪蓄積過程で脂肪細胞と炎症細胞の相互作用をダイナミックに捉え、3)内臓脂肪と皮下脂肪組織の代謝物の比較分析も合わせ行って、内臓脂肪の生物学をおしすすめ、急増する過栄養病態への対策に貢献しようとするものである。本年度は、1)血球発現遺伝子解析については、肥満・糖尿病教育入院をおこない、内臓脂肪、皮下脂肪量の評価もおこなった対象をエントリーし、順次全血球細胞からのRNAを抽出してマイクロアレイ解析の準備をすすめた。マウスにおける実験医学研究としては、アディポネクチン欠損(Adipo-/-)マウスと野生型(WT)マウスの血球細胞を分析し、両者に差がある可能性を認めたため詳細な検討をすすめている。2)生体イメージング法を用いた脂肪組織における免疫細胞動態については、LysMEGFP、CD11cEYFPTgマウスに高脂肪高蔗糖(HF/HS)食を負荷して、LysMEGFP陽性細胞が負荷早期から活発に活動することを観察した。脂肪細胞から分泌されるS100A8が重要な役割を果たす可能性が示された。LysMEGFP陽性細胞の大部分は末血では好中球であるのに対し脂肪組織ではマクロファージが多くを占めた。またこれら炎症細胞の動態におよぼすアディポネクチンの意義を明らかにするためにLysMEGFP-Adipo-/-およびCD11cEYFP-Adipo-/-マウスの作製を進めた。3)内臓脂肪組織、皮下脂肪組織の代謝物解析については、肥満モデルマウスから腸間膜・皮下脂肪を採取し基礎検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)内臓脂肪、皮下脂肪蓄積と末梢血発現遺伝子解析については若干時間を要しているが順次同意を得て症例のエントリーを行っている。2)脂肪組織における免疫細胞のイメージング解析は可能となった。一方腸間膜脂肪組織の観察は種々の技術的課題があることが明らかになってきた。3)代謝物分析については脂肪組織における解析に適する条件設定がまず樹立された。
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今後の研究の推進方策 |
1)末梢血発現遺伝子解析についてはエントリーを促進しマイクロアレイ解析を進めていく。Adipo-/-の血球細胞分析を進める。2)腸間膜脂肪組織のイメージング解析を進めるとともに樹立を進めているLysMEGFP-Adipo-/-およびCD11cEYFP-Adipo-/-マウスの検討を行う。3)脂肪組織における代謝物分析の条件設定が樹立されたので内臓脂肪、皮下脂肪での検討を進めていく。
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