研究課題/領域番号 |
26293245
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 一部基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
久保田 健夫 山梨大学, 総合研究部, 教授 (70293511)
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研究分担者 |
藤井 穂高 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (30302665)
福西 快文 独立行政法人産業技術総合研究所, 創薬分子プロファイリング研究センター, チーム長 (60357895)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
採択 (2015年度)
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配分額 *注記 |
12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2015年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2014年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | エピジェネティクス / エピゲノム / 遺伝子発現調節 / 発達障害 / Rett症候群 / MeCP2 / 創薬 / iPS |
研究実績の概要 |
【本研究の目的】代表的な発達障害疾患であるRett症候群の病態は、遺伝子発現調節タンパク質(MeCP2)の異常に起因する遺伝子の異常発現と理解されている。これをふまえ、本研究の目的は、脳細胞内の異常発現遺伝子を特異的に是正する化合物を本症の治療候補化合物として見いだすことである。 【具体的な実施内容】平成26年度に実施した研究成果は以下の2つである。 1.病態モデルiPS細胞と正常対照iPS細胞の発現差異遺伝子の同定[担当:久保田] Rett症候群の患者(すべて女性)は正常MECP2遺伝子を有するX染色体が活性化する細胞(正常X活性化株)と変異MECP2遺伝子を有するX染色体が活性化する細胞(変異X活性化株)の2種で構成され、iPS細胞株はそれぞれの細胞に由来するモノクローナルな株として樹立された。2つの株の遺伝的背景に同一であることから、変異株に特異的な異常が病態に関わる所見と解釈できる。このような背景の下、両株間で網羅的遺伝子解析結果を比較した。その結果、変異株では特異的にアストロサイト関連遺伝子が異常に発現していた(Mol Brain 2015)。 2.MeCP2複合体タンパク質を標的とする化合物探索とその効果の検証[担当:福西、久保田] MeCP2タンパク質複合体を形成している酵素タンパク質(HDACおよびSin3)に特異的に結合する既存薬物と新規化合物を見いだし、これらはBDNF等のRett症候群や自閉症に関連する遺伝子の発現を回復させる作用があることが、神経培養細胞による実験で明らかになった(論文準備中)。 【本成果の意義と重要性】本成果の意義は、疾患モデルとなる変異株で異常発現していたアストロサイト関連遺伝子の是正が本症候群の治療につながることであり、その重要性は、アストロサイト関連遺伝子の異常発現に関わるタンパク質の同定とその阻害が治療につながる重要なコンセプトになることである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の研究課題として「病態モデルiPS細胞と正常対照iPS細胞の発現差異遺伝子の同定」、新技法によるRett 症候群iPS細胞の再構築」、「既知のMeCP2で活性化される遺伝子領域の結合タンパク質の探索と同定」の3つを掲げていた。このうち、実行できたのは「病態モデルiPS細胞と正常対照iPS細胞の発現差異遺伝子の同定」だけであった。一方、平成27年度の研究課題としていた「MeCP2複合体タンパク質を標的とする化合物探索とその効果の検証」を前倒して実施した。したがって、予定通りに実施できなかった課題と予定を早めて実施した課題があることから、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
上記のような平成26年度の研究進展状況を鑑み、平成27年度は研究を以下のように推進させる。 1.新技法によるRett 症候群iPS細胞の再構築:正常者由来の皮膚線維芽細胞からは当初予定のエピソーマル技法を用いた新技法でiPS細胞を作製することはできた。この技法を用いて平成27年度内にRett 症候群患者のiPS細胞の作製を完了させる。 2.MeCP2の標的遺伝子領域の結合タンパク質の同定:平成26年度実施課題であった「enChIP法を用いてMeCP2によって発現活性化されている遺伝子に結合する新規タンパク質の解明」を平成27年度に実施する。合わせて、異常発現を呈したアストロサイト関連遺伝子にMeCP2欠乏下で結合するタンパク質をenChIP法を用いて把握する。 3.MeCP2の標的遺伝子領域の結合タンパク質に結合する化合物の探索:上記2で同定した結合タンパク質への結合が予測される化合物を、創薬支援ソフトウェアを用いて探索する。その結果に基づき化合物を合成し、特異的遺伝子発現制御の効果を検証する。
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