研究課題
基盤研究(B)
染色体6p21.3-22.1に存在する主要組織適合遺伝子複合体 (MHC)領域は、最も有力な統合失調症関連座位とされながら、進化の過程で遺伝子重複を繰り返し非常に複雑な染色体構造を持つに至った領域特異性から、従来のSNP解析・シークエンス法に基づくゲノム解析は困難であった。一方、新しい研究手法である次世代シークエンサー(NGS)では、phase ambiguity のない完全な塩基配列をhigh throughputに取得できることから、これまでの実験的障壁の打破が期待できる。そこで、本研究課題では当該領域が持つ統合失調症脆弱性の包括的な解明を目指したNGSによるMHC領域の網羅的なゲノム解析を行うこととし、平成26年度は解析手法を確立すべく2つの実験系による検討を行った。方法1はIllumina Nexteraを用いて、免疫機能に重要な役割を果たすと考えられているHLA-A, -C, -B, -DRB1, -DQB1, -DPB1領域について、当該6領域のlong-PCRを行い、次にNextera DNA Sample Preparation Kit(Illumina)を用いたライブラリー作成を行った。方法2ではSeqCap EZ Choice Library(Roche-NimbleGen)を用いて、ヒトMHC全4.97Mb領域をターゲットとしたライブラリー調整を行った。いずれも配列解析はNGS(MiSeq、Illumina)を用いて、2x250bp paired-end readsで行った。さらに、疾患脆弱性が示唆された変異領域については、詳細な遺伝統計学的解析および統合失調症罹患者死後脳での発現解析を行った。その結果、疾患関連候補遺伝子として検討した3遺伝子のうち、1遺伝子について統合失調症群での発現変化の可能性が示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 1件)
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