研究課題/領域番号 |
26293356
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 一部基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宇都宮 裕貴 東北大学, 大学病院, 准教授 (10359507)
|
研究分担者 |
鈴木 史彦 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20400343)
井原 基公 東北大学, 大学病院, 助教 (50403506)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
研究課題ステータス |
採択 (2015年度)
|
配分額 *注記 |
8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2015年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2014年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
|
キーワード | レチノイン酸 / アポトーシス / 子宮内膜癌 / レチノイン酸受容体 / RL95-2 / RARβ / ATRA |
研究実績の概要 |
レチノイン酸は既に他癌種では実用化されており、子宮内膜癌においてもその効果が期待されている。また正常組織に比べ、他癌種や子宮内膜症ではレチノイン酸合成代謝の変化により、細胞分化やアポトーシスの抑制が起こっている可能性が報告されている。そこで今年度は、子宮内膜癌におけるレチノイン酸合成代謝に着目し、子宮内膜癌に対するレチノイン酸の効果や関連遺伝子の発現およびレチノイン酸による動態変化を解析し、新規治療薬としての可能性を探った。 子宮内膜癌細胞株(RL95-2)を用いて、全トランスレチノイン酸 (all-trans retinoic acid : 以下ATRA) 添加による細胞増殖試験およびアポトーシス試験を行った。また、子宮摘出検体および子宮内膜癌細胞株、乳癌細胞株を用いてレチノイン酸合成代謝関連遺伝子の発現をRT-PCR法にて解析した。さらに、レチノイン酸受容体(RAR)ノックダウンによるannexin V detection assayを検討した。そしてヒト組織におけるRARの発現を検討した。 RL95-2を用いて、レチノイン酸による増殖抑制効果およびapoptosisの誘導を認めた。また、RARαおよびRARβのknock downによりレチノイン酸によるapoptosis誘導が抑制された。さらに、内膜癌組織におけるRAR発現はホルモン動態とは異なる発現を示しており、MPA療法とは異なる対象への治療薬もしくは予防薬として期待できると推察された。 子宮内膜癌においてレチノイン酸受容体の異常が起こっており、腫瘍の増殖に関わっている可能性がある。そして、レチノイン酸によりその機能を改善し、増殖抑制をもたらす可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度は、子宮内膜癌におけるレチノイン酸とその受容体に着目し、新しい所見を発見した(投稿中)。引き継づき細胞増殖はもとより、本来の主因であるアポトーシスに着目し、子宮内膜癌の発現制御機構を明らかにする。そして、現在困難である薬物治療を解明し、新規治療法を解明していきたい。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでに子宮内膜癌細胞株(RL95-2)を用いて、全トランスレチノイン酸 (all-trans retinoic acid : 以下ATRA) 添加による細胞増殖試験およびアポトーシス試験を行った。本年度も引き続き他種の様々な子宮内膜細胞株と細胞増殖を比較検討する。さらに、がん細胞株に様々なレチノイン酸(ATRA、9-cis、AM580等)を加え、各腫瘍の発現動態を検討する。また、レチノイン酸受容体に着目してその発現動態を子宮内膜癌細胞株で検討し、新規治療の確立を試みる。
|