研究課題
基盤研究(C)
本研究は,腐植物質の主要画分である腐植酸ならびに高腐植酸分解菌を用いてアルミニウム (Al)-腐植複合体の微生物分解に対する安定性を評価することを目的として行った。無機物共存有無による褪色試験では差異は認められなかった。一方,合成Al-腐植酸複合体による褪色試験では,溶解状態での影響は認められなかったが,懸濁培養ではAl-腐植酸複合体で有意に高い安定性を示した。さらに過酸化水素を用いたモデル酸化分解試験においてもAl-腐植酸複合体で高い分解抵抗性を示した。以上の結果から土壌有機物の安定化メカニズムの一因としてAlとの複合体形成による腐植物質の化学的安定性向上の寄与が示された。
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Geoderma Regional
巻: 7 号: 2 ページ: 177-186
10.1016/j.geodrs.2016.03.003