研究課題/領域番号 |
26350358
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金森 修 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90192541)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2015年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2014年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 日本のSF / SFと社会 / 安部公房 / 第四間氷期 / 日本SF史 / 戦後の核文明 / 原爆文学 / 証言派 / 原民喜 / 大田洋子 / 井上光晴 / 福永武彦 |
研究実績の概要 |
一九六〇年代を中心に我が国のSFの発展を跡づける作業をしている内に、SF史だけに限定するのではない、より広範な視点が必要だということが分かってきた。SFは、同時代の他分野の文学・芸術活動と陰に陽に繋がっているからである。そして、その過程で、いわゆるSF作家と呼ばれる人々よりも広いカテゴリーにある作家たちの調査を始めた。そしてその中で、単なるSF作家とはいえず、戦後文学の重要な一画をなし、まだ充分な研究が進んでいない安部公房の存在の大きさを改めて認識するようになった。そのため、安部公房の全作品を集め、現在入手可能な安部公房論、また海外の安部公房並びにその周辺に関する文献群をすべて集めた。 こうして、資料体的には完璧な準備が進んだので、現在改めてゆっくりと評論と作品自体を通読しているところである。もうかなりの量は読破したので、年度末、つまりこの研究の完成する頃には或る程度の目安がついているはずだ。というわけで現在は、安部公房を中心とした文学評論の執筆を目指して努力しているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず資料体の確定作業を綿密に行い、重要文献は邦語、英語を問わずほぼすべてを集めた。作品はもちろん全集を用い、実際にかなりの読み込み作業を開始している。 あとは、安部公房の明らかにSF的な作品と、それを超える思想的な作品群との関係の分析、全体を通して見えてくる幾つかのテーマの確定のために努力をしているところだが、おおむね順調な作業が継続されている。
|
今後の研究の推進方策 |
上記のように資料体の確定は済んだのであとは、それを可能な限り綿密に読破し、分析し、重要なテーマを浮上させるための努力を続けるだけである。 いまのところは、特に安部公房の四〇歳以前の独創的な短篇群の緻密な読解、そしてSF的作品と見なされる『第四間氷期』のような作品の関係づけ作業を手がけている。 彼は最晩年若干創作力が衰えたが、それでも『方舟さくら丸』など、現代文明の根幹の問題点に触れる物も残しているので、その分析を急ぎたい。
|