うつ病患者では診断を満たす以前にも軽度の抑うつ症状が認められることから,うつ病の早期発見や「うつ病予備群」への早期対応が求められている。その為,ストレスへの主観的認知の高まりや閾値下の抑うつ気分・意欲低下をもつ健常者を早期に発見し,予防的介入を行うための生物学的診断指標を構築することを目標とし研究を行った。 閾値下抑うつ・意欲低下への主観的認知が,QOL,ストレス,精神運動速度,前頭前野の平均血流量変化と連動しているか否かについて統計学的評価を行った結果,タスク(連続加算)時の前頭前野酸化ヘモグロビン濃度変化減少やQOL低下が認められ,その変化が閾値下抑うつの指標の一つになることが示唆された。
|