研究成果の概要 |
イギリス19世紀~20世紀初頭の小説テクストにおける群集表象に着目し、当時の社会における群集のあり方の変遷が、モダニズム文学の発生・発展とどのような関連を有していたのかを探った。主な成果として、Wells, The Invisible Manの終末部に現れる労働者の群集、Hardy, Jude the Obscureにおける祝祭日の群集、さらにはConrad, The Nigger of the “Narcissus”におけるロンドンの群集を、当時のLe Bonなどによる群集理論と照らし合わせながら分析し、新時代の群集への変遷が、当時のフィクションの言語に多大な影響を与えていることを見出した。
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