研究成果の概要 |
本研究の成果は、中世後期から18世紀にかけて広くヨーロッパに流布し、様々なジャンルで受容された<狐物語群>のうち、(1)中世オランダ語から翻訳・受容された英語『狐物語』(/Reynard the Fox/)の本文生成と派生のプロセスを、キャクストン版(1481,1489)からド・ウォード版(1499, 1525)、ピンソン版(1494, c.1506)、ゴルティエ版(1550)を経てアルデ版(c.1600)に至る諸版を対象に調査・検討し、新たなステマを提案したこと、(2)各印刷・編集者による本文と書物のつくりを社会・文化的文脈に位置づけ、受容史の観点から解釈したことである。
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