失語症・意味認知症者の文理解・産生の障害メカニズムー意味、文法、音韻処理の役割ー

• 研究課題/領域番号: 26370493
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 言語学
• 研究機関: 県立広島大学
• 研究代表者: 渡辺 真澄 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (60285971)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円); 2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円); 2014年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
• キーワード: 動詞活用 / 自他対応動詞 / 失語症 / 呼称 / 語想起 / 文産生 / 文理解 / 絵・単語干渉課題

研究成果の概要

失語症は、左大脳半球の言語関連部位の損傷で生じ、言語の色々な面に障害が現れる。例えば自分の考えを「文」にすること、ものや絵の「呼称」が困難になる。文の中心は動詞である。そこで動詞活用を検討した。動詞の活用型は語尾で決まり、健康な人では五段か一段か判別できない語尾の動詞活用が困難だった。また動詞には自他対応動詞がある（閉まる/閉める）。失語症では自他対応動詞の理解が苦手で、中でも自動詞が難しかった。音が似ているのと、自動詞文の構造が複雑なことが原因であろう。健康な人には簡単に見える発話も、実は難易があり、失語症ではその難易度が増幅されて現れたと考えている。さらに呼称の促進要因についても検討した。

研究成果

• [雑誌論文] 紙上討論 ｢漢字｣と｢ひらがな｣の知覚部位は同じか? (2016)
  • 著者名/発表者名: 辰巳 格, 渡辺眞澄
  • 雑誌名: BRAIN and NERVE 巻: 68 号: 8 ページ: 959-975
  • DOI: 10.11477/mf.1416200538
  • NAID: 40020933681
  • ISSN: 1344-8129, 1881-6096
  • 年月日: 2016-08-01
  • オープンアクセス
• [雑誌論文] 動詞と考えられる無意味性再帰性発話を呈した一例 (2016)
  • 著者名/発表者名: 小松慎太郎, 大平陽子, 渡辺眞澄, 今村徹
  • 雑誌名: 神経心理学 巻: 32 ページ: 65-73
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 失語症者における項目間の意味的関連性を統制した非言語性意味判断課題の成績 (2014)
  • 著者名/発表者名: 津田 哲也、中村 光、吉畑博代、渡辺眞澄、坊岡峰子、藤本憲正
  • 雑誌名: 高次脳機能研究 巻: 34(4) ページ: 394-400
  • NAID: 130005117146
  • 査読あり
• [学会発表] 動詞活用障害の分析のための基礎研究 (2016)
  • 著者名/発表者名: 渡辺眞澄,玉野あかね, 津田哲也, 辰巳 格
  • 学会等名: 第40回 日本高次脳機能障害学会 学術総会
  • 発表場所: キッセイ文化ホール（松本市）
  • 年月日: 2016-11-11
• [学会発表] Difficulty in processing sentences including paired verbs in a Japanese agrammatic patient. (2016)
  • 著者名/発表者名: Masumi Watanabe, Shotaro Murata,Risa Yamada, Kazuhiko Kakehi, Itaru Tatsumi.
  • 学会等名: 16th International Clinimal Phonetics and Linguistics Association Conference.
  • 発表場所: Halifax (Canada)
  • 年月日: 2016-06-15
  • 国際学会
• [学会発表] 単語呼称プロセスにおける意味・品詞（統語）･音韻情報の役割 (2015)
  • 著者名/発表者名: 渡辺眞澄, 古本あかね, 佐久間真理, 津田哲也, 筧一彦, 辰巳格
  • 学会等名: 第39回 日本高次脳機能障害学会 学術総会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2015-11-10
• [学会発表] 失語症者の統障害メカニズムについて (2015)
  • 著者名/発表者名: 渡辺眞澄
  • 学会等名: 上智大学 言語聴覚研究センター 特別講演会 上智大学言語会第 30 回大会 記念行事 第 19 回言語障害臨床学術研究会 シンポジウム「失語症者の統障害理解ために」
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2015-09-18
• [図書] やさしい高次脳機能障害用語事典 (2017)
  • 著者名/発表者名: 種村純（編）
  • 出版者: ぱーそん書房
• [図書] PT・OTのための高次脳機能障害ABC (2015)
  • 著者名/発表者名: 網本 和（編）
  • 総ページ数: 226
  • 出版者: 文光堂
• [学会・シンポジウム開催] 第19回 認知神経心理学研究会 (2016)
  • 発表場所: サテライトキャンパス広島(広島市)
  • 年月日: 2016-08-27