現在の長野県北部には江戸時代多くの小都市がみられ、市場が開かれていた。この科研では、①市場における具体的な商品売買のあり方と江戸時代を通じたその変化、②農村に数多く存在した商人の具体的な活動形態と彼らによって形成されていた集団の内部構造、③彼らと市場との関係及び彼ら相互の関係、④山間地帯から薪をもたらす人々や沿岸部(現在の新潟県)から塩や肴をもたらす人々の具体的な姿、以上について歴史資料情報の収集を行い、解明することができた。あわせて資料にみられる「市場衰微」という語が従来言われたように定期市の常設店舗化ではなく、市場外部における商人どうしの取引であることを確定することができた。
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