研究課題/領域番号 |
26370903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
内山 幸子 東海大学, 国際文化学部, 准教授 (20548739)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2014年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 儀礼 / 精神観 / 動物遺体 / 住居址 / オホーツク文化 / 擦文文化 / アイヌ文化 / 家焼き儀礼 / 動物儀礼 / オホーツク文化期 / 擦文文化期 / アイヌ文化期 / 火災住居 / 松法川遺跡 / 火 / 北海道 / サハリン |
研究成果の概要 |
本研究は、北海道の古代から中世に行われた儀礼の詳細について、動物遺体や住居址をもとに検証し、当時の精神観を明らかにすることを目指すものであった。研究の結果、家送り儀礼と動物儀礼が従来の認識以上に頻繁に行われていたことに加えて、両儀礼が連動する動きも、一部の事例で明確に捉えられた。 以前から、当該地域・時期では、人を葬る際に、副葬品となる土器や刀子を破壊する例が知られていた。今回の例も、家や祀っている動物遺体に火をつけることで本来の形や機能を失わせ、別の世界へと送る、一種の儀礼的行為だったと考えられる。このような精神観は、古代から中世にかけて連綿と続いていたことが明らかである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で対象とした文化は、外来の要素が強いとされるオホーツク文化と、在来の文化である擦文文化・アイヌ文化とに2分される。これらは、土器や住居、生業の形態や人骨の形質などで差異が大きいものの、本研究で取り上げた精神観の面では、家や祀っていた動物遺体に火を放ち別の世界に送るという点で、共通した要素が見られた。むしろ、同じオホーツク文化でも、サハリンでは今のところ類例が顕著ではなく、北海道の縄文文化以降の文化との共通性が見出せる。 この結果から、以前から議論の的になっていた、オホーツク文化や擦文文化、アイヌ文化の系統や文化間関係について、今後議論を進めていく上での重要な要素を追加できたといえる。
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