研究課題/領域番号 |
26380008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
桜井 徹 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (30222003)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2014年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 民主主義 / 人権 / 国民国家 / シティズンシップ / 入国管理権 / ナショナリズム / 移民 / グローバリゼーション |
研究成果の概要 |
グローバリゼーションの進展にもかかわらず、私たちの基本的諸権利の実現にあたっては、政治的共同体の間の法的“境界線”が依然として重要であることが日々明らかになっている。私は、現代世界における法的境界線の重要性を再確認する立場から、自由や平等への権利の実現・保障に不可欠である“法的空間”の観念に注目すべきことを強調した。さらに、法的境界線が民主的諸価値の保証に資するだけでなくその実現を妨げうることに注目すべきだと唱えた。このように私は、国境線を越えて自由と平等の実現を推進するプロジェクトにとっては“法の境界線”の根拠とあり方に着目しなければならないことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ドミニク・シュナペールが断言するように、国民とは「生物学的、歴史的、経済的、社会的、宗教的、または文化的な個別の帰属を市民性によって乗り越えようという野心」だとすれば、“国民”観念は近代的個人主義の抽象性を運命的に背負わされている。今日のナショナリズムの再興を見据えるとき、「近代的な国民」の“抽象性”が、移民の流入に直面する現代民主主義国家の中でどのように軋みつつあるかを直視する必要がある。そのとき、普遍的な“人権”概念と同じように、個別的な“国民”概念もまた、近代の歴史が産み落とした文化的な人工物であるとともに、その倫理的価値において後者を前者に優先する理由はないことを明らかにした。
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