研究課題
基盤研究(C)
グロモフは測度の集中現象に基づいて,測度距離空間についての新しい幾何学的理論を提案した.これは次元が無限大へ発散する空間列を研究するのが主目的である.本研究ではこれをさらに深化させた.測度の集中現象は大数の法則の幾何学化であるが,本研究では中心極限定理の幾何学化を研究した.これは相転移現象の臨界状態として現れる.例えば,次元が無限大へ発散する球面の列に対して,半径を変えると,半径のオーダーが小さいときは集中現象が起きて,大きいと きは消散現象が起き,半径が臨界の次元のルートのオーダーのとき,ガウス測度をもつ無限次元 空間へ収束することが観測される.これを他の空間に対して研究した.
空間列の収束や漸近的挙動を調べた幾何学的な研究である.従来の空間のグロモフ・ハウスドルフ収束の研究では,幾何群論と微分幾何の問題であった.しかし本研究は,幾何学のみならず,確率論,統計学,解析学,統計力学などと関係した非常に興味深い研究であり,国内外で学術的に高く評価されている.従来の研究とは異なった独創的な方法で高次元および無限次元空間へアプローチするものであり,今後の進展が期待されている.
すべて 2019 2018 2017 2016 2015 2014
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 10件、 招待講演 16件) 図書 (4件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Advances in Mathematics
巻: 349 ページ: 1198-1233
10.1016/j.aim.2019.04.043
数学
巻: 71 ページ: 159-177
130008029698
Mathematische Zeitschrift
巻: - 号: 3-4 ページ: 1-35
10.1007/s00209-018-2044-y
日本数学会「数学」
巻: 印刷中
Measure theory in non-smooth spaces, 261-287, Partial Differ. Equ. Meas. Theory, De Gruyter Open, Warsaw, 2017.
巻: - ページ: 261-287
Math. Z
巻: 280 号: 3-4 ページ: 759-782
10.1007/s00209-015-1447-2
Manuscripta Math
巻: 147 号: 3-4 ページ: 501-509
10.1007/s00229-015-0730-1
Pacific J.
巻: 270 号: 1 ページ: 393-421
10.1007/s10711-014-0017-9