研究成果の概要 |
非線形波動方程式系, あるいは関連する方程式系の初期値問題の大域解(任意の時刻までの解)が存在するための十分条件に関する研究を行った(初期値は小さいものとする). 古典的によく知られた零条件よりも弱い十分条件("弱"零条件)に関しては, 既知の2つの"弱"零条件を統合した条件の下で大域解が存在することを示し, 大域解の漸近的な振る舞いを与える公式を得た. また, Alinhac による2次元空間における大域解の存在定理の改良を行った. 波動とクライン=ゴルドン方程式の非線形連立系に関しても, 以前よりも弱い条件の下で, 初期値が遠方で0ならば大域解をもつことを示した.
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