研究課題
基盤研究(C)
太陽活動が発生する黒点の微細な構造を、高い空間および時間分解能で観測することによって、その起源を明らかにした。具体的には、黒点の中で活動性が高いデルタ型黒点を研究し、その磁気的な時間発展から、太陽対流層内でのプラズマの流れによって、2回ループしたねじれ磁束管が形成されて太陽表面上に浮上したものであることを明らかにした。また、黒点半暗部の微細構造の形成を追跡して、表面に対して傾斜した磁場構造と周辺の対流の作用によって半暗部が形成されることを明らかにした。更には、黒点周辺の加熱領域であるプラージュ域に発生するダイナミックなジェット噴出の基礎データを得た。
学術的には、太陽物理学で謎として残されてきたデルタ型黒点の高い活動性を説明することができたこと、また、黒点半暗部の形成機構を観測的に初めて明らかにしたこと、また、プラージュ域の加熱機構を解明する重要な基礎データを得られたことに意義がある。この結果は、太陽物理学のみならず他の恒星の活動性を解明するための基礎となる。社会的には、太陽活動が地球気候に及ぼす影響が近年論じられており、地球温暖化現象を解明するための基礎データを提供するという意義がある。特にプラージュ域の加熱は、地球に照射する紫外線量に深く関係しており、さらなる研究が必要である。
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Proceedings of a Meeting held at the University of Coimbra, ASP Conference Series
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