研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、中性子星合体における元素合成および重力波対応天体キロノバの研究により、レアアース、金、ウランなどのrプロセス元素の起源を解明することであった。中性子星合体の元素合成の計算 (Wanajo et al. 2014) に基づくキロノバの観測予測を行い (Tanaka et al. 2018)、その直後に中性子星合体GW170817が発見された。対応するキロノバの観測結果は我々の予測の範囲内で説明され、rプロセス元素がつくられたことが示された。中性子星合体には1億年以上を要するため、銀河初期の星に観測されるrプロセス元素の存在が説明できないという問題があった。銀河系は様々な質量のサブハローの合体により形成され、低質量のサブハローほど星形成率が低いという仮説の基に銀河化学進化の計算を行い、観測されるrプロセス元素の存在は中性子星合体で説明できること、ストロンチウムなどの軽いrプロセス元素には超新星などの別も起源も必要なこと、そしてサブハローモデルが矮小銀河の化学進化も説明可能であることを明らかにした (Ishimaru et al. 2015; Ojima et al. 2018)。最終年度(本年度)は、中性子星合体がrプロセス元素の主要な起源であることを実証するために、rプロセス元素の核崩壊加熱率に関する研究を行った (Wanajo 2018)。中性子星合体GW170817の観測によりレアアースが存在することは明らかにされたが、金やウランなどの重いrプロセス元素がつくられた証拠は得られていない。GW170817での主要な熱源はrプロセス元素ではなくニッケル66(半減期2.3日)のような軽い元素であった可能性を示し、重いrプロセス元素がつくられたことを明らかにするには、将来の観測でカリフォルニウム254(半減期61日)の兆候を捉えることが有効であることを示した。
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すべて 国際共同研究 (10件) 雑誌論文 (19件) (うち国際共著 13件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 13件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (31件) (うち国際学会 14件、 招待講演 27件) 備考 (2件)
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