研究課題/領域番号 |
26400405
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
香取 眞理 中央大学, 理工学部, 教授 (60202016)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2014年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 非平衡統計力学 / 可積分系 / 揺動 / 時空相関関数 / ランダム行列理論 / 確率論 / 確率過程 / 行列式 / 相互作用多粒子系 / 対称関数 / 行列式点過程 / 行列式過程 / テータ関数 / アフィン・ルート系 / 非衝突ブラウン橋 / 1成分プラズマ模型 / ガウス自由場 / 対数ガス / 可積分相互作用粒子系 / 行列式点過程・行列式過程 / 楕円関数・ヤコビテータ関数 / 無限次元SLE / 臨界現象・フラクタル現象 / 可積分確率過程 / マルチンゲール / 整関数 / 共形不変性 / 可解確率過程 / ダイソン模型 / ベッセル過程 / SLE / 揺動と相関 |
研究成果の概要 |
非平衡統計力学模型においては時空相関関数を解析することが求められる。すべての時空相関関数を厳密に定めることができる系として、ランダム行列の固有値統計集団の動的拡張である非衝突ブラウン運動系がある。本研究課題ではこの系の可積分性について確率論的な手法を用いて研究することを主目的とした。その結果、多粒子系の行列式マルチンゲール表現という新しい概念を確立した。マルチンゲールとは統計物理でいう揺動を表す確率過程の総称であり、非平衡系において揺らぎと相関との新たな関係を明らかにしたことになる。その結果、系の楕円関数拡張に成功し、また、プラズマ模型や自由ガウス場との関係性を議論することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統計物理学は物性基礎論として物質科学に対して理論的根拠を与える。また、相転移・臨界現象の統計力学的研究は、場の理論、特に光や電子などを記述する量子場を無限粒子系として定式化する手法を与える。また、統計物理学は確率論や表現論など数学分野の研究を刺激し、数学と物理の共進化を促している。本研究は、未解決問題が山積する非平衡統計物理学において、厳密かつ詳細に解析的計算を実行できる系を扱い、数学的に整備された精密な研究結果を導出することを行ったものである。そのため数学的普遍性を有することが期待されるが、実際、プラズマモデルや自由ガウス場といった他の物理系との非自明な関係性を明らかにすることができた。
|