研究課題/領域番号 |
26400413
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
大塚 雄一 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (30390652)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2014年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 物性理論 / 強相関電子系 / 量子相転移 / 臨界現象 / 量子モンテカルロ法 / ディラック電子 / 計算物理 |
研究成果の概要 |
ディラック電子系における量子相転移の臨界性を量子モンテカルロ法によって調べた。斥力相互作用による反強磁性転移に関しては、ハニカム格子およびπ磁束を持つ正方格子上でのハバード模型に対して、磁化および準粒子重みに関する有限サイズスケーリング解析を行った。その結果、二つの異なる格子模型から得られた臨界指数は高い精度で一致し、普遍性クラスの存在が数値的に明らかにされた。また、三角格子上での引力ハバード模型に対しても同様の計算を行い、一連の臨界指数を得た。これらの結果はそれぞれ、Gross-Neveu模型でのchiral-Heisenberg、chiral-XYクラスに相当するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グラフェンなどで見られる質量ゼロの2次元ディラック電子系において、電子間の相互作用が引き起こす金属から絶縁体への相転移が普遍的な性質をもつことを明らかにした。ディラック電子系を構成する2つの異なる模型に対し、量子モンテカルロ法によるシミュレーションを「京」コンピュータ上で実行し、2つの模型の臨界指数(相転移点で物理量が示す特徴的な指数)が互いによく一致し、普遍性をもつことを示した。この成果は、物性物理から素粒子物理まで、スケールを超えた臨界現象の理解につながるほか、銅酸化物高温超伝導体の金属-絶縁体転移のメカニズムを解明する手がかりとしても期待される。
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