研究課題
基盤研究(C)
未固結の前弧海盆堆積物のうち,変形葉理を示すタービダイト砂層の粒子ファブリックは液状化実験の結果とも符合しており,液状化の痕跡とみなせることを裏付けている.しかし,そのような例は少なく,多くが初生構造を維持していた.固結した砂岩層では,液状化すれば体積収縮が起こって間隙率が低下することに注目し,600試料の間隙率を計測した.その結果,地域的に大きなばらつきを示し,砂岩層内の間隙率分布も不均一であった.そのため明確な液状化の痕跡を残す例は少ないことが示された.これらの砂層がプレート沈込み帯の海底表層で地震動を経験したと想定されるにもかかわらず,影響が検出されなかったことはむしろ注目に値する.
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