研究課題/領域番号 |
26440211
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西田 佐知子 名古屋大学, 博物館, 准教授 (10311490)
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研究協力者 |
内貴 章世
金岡 雅浩
西田 隆義
高倉 耕一
橋本 圭佑
柿島 聡
高野 温子
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2014年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 繁殖干渉 / 外来種問題 / タンポポ / 種間相互作用 / 生物地理 |
研究成果の概要 |
繁殖過程で他種から受ける悪影響は繁殖干渉と呼ばれ、生物の分布を決める要因として近年注目を集めている。申請者は、日本の在来タンポポが外来タンポポからの繁殖干渉によって分布地から駆逐されているという仮説に着目し、複数のタンポポ個体群の分布や生態、外来種からの繁殖干渉の受け方を比較することで仮説の検証を試みた。 その結果、在来タンポポには繁殖干渉を受け易い個体群と受け難い個体群があり、その違いは外来タンポポによる駆逐の有無と相関がある可能性を見出した。また、この繁殖干渉は訪花昆虫の奪い合いや頻繁な雑種化ではなく、外来の花粉を間違って受け入れることで結実に失敗した結果起こる可能性が高いことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外来種が在来種を駆逐するという現象はよく知られているが、どんな仕組みで起こるのかは今まで不明だった。そのため、在来種を守る適切な方法も未だ定まっていなかった。 本研究は身近な植物であるタンポポを用いて、繁殖干渉という、近縁種が間違って繁殖しようとすることから起こる悪影響を明らかにした。特に、外来タンポポの花粉が在来のめしべに付くことでタネが減るという現象が、在来タンポポの駆逐につながっている可能性を明らかにした。 この結果は、生物地理学に繁殖干渉という新しい視点を提供することに繋がる。また、外来種の花の駆除が在来生物の繁殖保持に有効である可能性を示唆し、在来生物保全への応用が期待できる。
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