研究課題
基盤研究(C)
北海道のランドスケープ素材として有望な北海道に分布するオオバナノエンレイソウと九州の山地から東北・北海道に分布するエンレイソウの種子を同じ条件で発芽実験を実施した。両種子とも形態的生理的休眠を有していた。しかし,札幌市の温度ではエンレイソウは播種した年の夏に約半数の種子が発根して翌春に出芽した。残りの種子は冬を経過後に発根した。一方,オオバナノエンレイソウの種子は冬を経過しなければ発根しなかった。このことは,エンレイソウはオオバナノエンレイソウよりも発根のための低温要求が少ないことを意味している。これが,エンレイソウの分布がオオバナノエンレイソウよりも南方に広がっている理由の一つと考えられる。