自閉症におけるシナプスバランス不全機構の解明とシナプス競合誘導によるその回復

• 研究課題/領域番号: 26460094
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 薬理系薬学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 小山 隆太 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (90431890)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円); 2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2015年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円); 2014年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
• キーワード: マイクログリア / シナプス / 自閉症 / 海馬 / シナプス刈り込み / シナポトーシス / カスパーゼ / 培養切片 / 神経活動

研究成果の概要

神経回路の精密化には不要なシナプスの除去が必須である。発達期におけるシナプス除去の不全は神経回路機能の低下につながり、自閉スペクトラム症 (autism spectrum disorders; ASDs) の発症と関連することが示唆されている。本研究では、海馬神経回路に着目し、ASD発症におけるシナプス除去不全の関与とそのメカニズムを検証した結果、脳内免疫細胞であるマイクログリアによるシナプス貪食の不全がASD発症と関連することを明らかにした。よって、マイクログリアの活性化を制御することにより、ASD発症を抑制できる可能性がある。

研究成果

• [雑誌論文] Microglia engulf viable newborn cells in the epileptic dentate gyrus. (2016)
  • 著者名/発表者名: Luo C, Koyama R, Ikegaya Y.
  • 雑誌名: Glia 巻: 64 号: 9 ページ: 1508-1517
  • DOI: 10.1002/glia.23018
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Severity of kainic acid-induced seizures is not aggravated in the maternal immune activation mouse model of gestational poly(I:C) exposure. (2016)
  • 著者名/発表者名: Andoh M, Koyama R, Ikegaya Y.
  • 雑誌名: Journal of Autism and Epilepsy 巻: 1 ページ: 1013-1013
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Depth and time-dependent heterogeneity of microglia in mouse hippocampal slice cultures. (2016)
  • 著者名/発表者名: Kasahara Y, Koyama R, Ikegaya Y.
  • 雑誌名: Neuroscience Research 巻: 111 ページ: 64-69
  • DOI: 10.1016/j.neures.2016.05.001
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Microglia and neurogenesis in the epileptic dentate gyrus. (2016)
  • 著者名/発表者名: Luo C, Ikegaya Y, Koyama R
  • 雑誌名: Neurogenesis 巻: 3
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Dentate Circuitry as a Model to Study Epileptogenesis (2016)
  • 著者名/発表者名: Koyama R.
  • 雑誌名: Ｂｉｏｌｏｇｉｃａｌ ＆ Ｐｈａｒｍａｃｅｕｔｉｃａｌ Ｂｕｌｌｅｔｉｎ 巻: 39 号: 6 ページ: 891-896
  • DOI: 10.1248/bpb.b16-00125
  • NAID: 130005155121
  • ISSN: 0918-6158, 1347-5215
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [学会発表] 熱性けいれんとてんかん発症の分子細胞生物学的リンク (2017)
  • 著者名/発表者名: 小山隆太、池谷裕二
  • 学会等名: 第137回日本薬学会
  • 発表場所: 仙台国際センター(宮城県 仙台市）
• [学会発表] Microglia disrupt synapse E/I balance in epilepsy. (2017)
  • 著者名/発表者名: Koyama R
  • 学会等名: The 5th RIEC International Symposium on Brain Functions and Brain Computer
  • 発表場所: 東北大学（宮城県 仙台市）
• [学会発表] 自閉症における神経回路形成へのマイクログリアの関与 (2016)
  • 著者名/発表者名: 小山隆太
  • 学会等名: 第121回日本解剖学会
  • 発表場所: 福島県・郡山市・ビッグパレットふくしま
  • 年月日: 2016-03-30
• [学会発表] 自閉症におけるマイクログリア依存的なシナプス除去の不全 (2016)
  • 著者名/発表者名: 森下皓平、小山隆太、池谷裕二
  • 学会等名: 第89回日本薬理学会
  • 発表場所: 神奈川県・横浜市・パシフィコ横浜
  • 年月日: 2016-03-09
• [学会発表] 熱性けいれんとミクログリア (2016)
  • 著者名/発表者名: 小山隆太
  • 学会等名: 第50回日本てんかん学会
  • 発表場所: グランシップ(静岡県 静岡市）
• [学会発表] てんかんとグリア細胞 (2016)
  • 著者名/発表者名: 小山隆太、池谷裕二
  • 学会等名: 生体機能と創薬シンポジウム2016
  • 発表場所: 東北大学（宮城県 仙台市）
• [学会発表] 温度刺激によるマイクログリア活性化のてんかんにおける役割 (2016)
  • 著者名/発表者名: 小山隆太、池谷裕二
  • 学会等名: 第39回日本神経科学会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県 横浜市）
• [学会発表] Fever activates microglia to engulf inhibitory synapses in epilepsy. (2016)
  • 著者名/発表者名: Koyama R
  • 学会等名: Keystone Symposia
  • 発表場所: Keystone Resort (Keystone, Colorado, USA)
• [学会発表] Possible role of microglia in the pathogenesis of autism spectrum disorders (2015)
  • 著者名/発表者名: 小山隆太
  • 学会等名: 第20回グリア研究会
  • 発表場所: 愛知県・名古屋市・名古屋市立大学
  • 年月日: 2015-12-05
• [学会発表] 海馬神経回路の形成におけるマイクログリアの関与と自閉症 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小山隆太
  • 学会等名: 第38回日本神経科学大会
  • 発表場所: 兵庫県・神戸市・神戸国際会議場
  • 年月日: 2015-07-30
• [学会発表] 海馬神経回路の形成におけるマイクログリアの関与と自閉症 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小山隆太、柴田和輝、森下皓平、池谷裕二
  • 学会等名: 第38回日本神経科学会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2015-07-28 – 2015-07-30
• [学会発表] 母体免疫活性化によるマイクログリア依存的な神経回路変性と自閉スペクトラム症 (2015)
  • 著者名/発表者名: 柴田和輝、小山隆太、森下皓平、池谷裕二
  • 学会等名: 第132回日本薬理学会関東部会
  • 発表場所: 千葉県・浦安市・明海大学
  • 年月日: 2015-07-04
• [学会発表] Hippocampal network formation in mouse model of autism spectrum disorders. (2015)
  • 著者名/発表者名: 小山隆太、柴田和輝、森下皓平、池谷裕二
  • 学会等名: 第57回日本小児神経学会
  • 発表場所: 大阪府・大阪市・帝国ホテル
  • 年月日: 2015-05-28
• [学会発表] ASD モデルマウスにおける海馬神経回路の変性とマイクログリアを介した再編成 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小山隆太
  • 学会等名: 第1回生物学的自閉症研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2015-03-14
• [学会発表] 自閉症における海馬神経回路形成へのマイクログリアの関与 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小山隆太、柴田和輝、森下皓平、池谷裕二
  • 学会等名: 第2回包括的神経グリア研究会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2015-01-10
• [学会発表] 自閉症モデルマウスにおける海馬苔状線維シナプス競合の不全 (2014)
  • 著者名/発表者名: 柴田和輝、小山隆太、森下皓平、池谷裕二
  • 学会等名: 第23回海馬と高次脳機能学会
  • 発表場所: 金沢
  • 年月日: 2014-10-11
• [図書] 細胞工学 (2015)
  • 著者名/発表者名: 小山隆太
  • 総ページ数: 4
  • 出版者: 秀潤社