インターロイキン-33をターゲットとした難治性アトピー疾患の制御に関する研究

• 研究課題/領域番号: 26460108
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 薬理系薬学
• 研究機関: 摂南大学
• 研究代表者: 奈邉 健 摂南大学, 薬学部, 教授 (40228078)
• 研究分担者: 福井 裕行 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学系), 特任教授 (90112052) ; 水谷 暢明 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (90340447)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円); 2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円); 2015年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円); 2014年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
• キーワード: IL-33 / 喘息 / アトピー / 制御性T細胞 / 抗アレルギー薬

研究成果の概要

難治性喘息において、獲得免疫系と自然免疫系を繋ぐ鍵分子であるIL-33の産生機序を解析するとともに、IL-33の免疫薬理学的制御方法について検討した。感作マウスに抗原を気管内投与することによるIL-33産生には肥満細胞やTh2細胞は関与せず、投与された抗原が抗原特異的IgG抗体と免疫複合体を形成し、これがマクロファージ上のFcγRII/IIIを介して細胞内に取り込まれた結果、IL-33が産生されることが示唆された。また、IL-33産生はステロイド感受性であった。一方、アレルギー制御の新しい方法として、試験管内で誘導したIL-10産生性T細胞の養子移入は、喘息反応を抑制することを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Topical ocular treatment with monoclonal antibody Fab fragments targeting Japanese cedar pollen Cry j 1 inhibits Japanese cedar pollen-induced allergic conjunctivitis in mice (2017)
  • 著者名/発表者名: Nobuaki Mizutani, Takeshi Nabe, Shin Yoshino
  • 雑誌名: Eur. J. Pharmacol. 巻: 798 ページ: 105-112
  • DOI: 10.1016/j.ejphar.2017.01.028
  • 査読あり
• [雑誌論文] アレルギー性気道炎症IL-33産生細胞の解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 奈邉 健
  • 雑誌名: 眼薬理 巻: 30 ページ: 53-56
  • 査読あり
• [雑誌論文] Semaphorin 7A plays a critical role in IgE-mediated airway inflammation in mice (2015)
  • 著者名/発表者名: Nobuaki Mizutani, Takeshi Nabe, Shin Yoshino
  • 雑誌名: European Journal of Pharmacology 巻: 764 ページ: 149-156
  • DOI: 10.1016/j.ejphar.2015.07.004
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Thymic stromal lymphopoietin-induced interleukin-17A is involved in the development of IgE-mediated atopic dermatitis-like skin lesions in mice (2015)
  • 著者名/発表者名: Nobuaki Mizutani, Chutha Sae-wong, Takeshi Nabe, Shin Yoshino
  • 雑誌名: Immunology 巻: 146 号: 4 ページ: 568-581
  • DOI: 10.1111/imm.12528
  • 査読あり
• [雑誌論文] Longitudinal study of effects of oral dosage of Bifidobacterium bifidum G9-1 on Japanese cedar pollen-induced allergic nasal symptoms in guinea pigs (2015)
  • 著者名/発表者名: Satoru Tsunemine, Yasuhiro Isa, Hiroshi Ohno, Satoko Hagino, Hideki Yamamura, Nobuaki Mizutan, Takeshi Nabe
  • 雑誌名: Microbiology and Immunology 巻: 59 号: 11 ページ: 690-699
  • DOI: 10.1111/1348-0421.12324
  • 査読あり
• [雑誌論文] Expression of CysLT₂ receptors in asthma lung, and their possible role in bronchoconstriction (2015)
  • 著者名/発表者名: Tomohiko Sekioka, Michiaki Kadode, Masanori Fujii, Kazuhito Kawabata, Takashi Abe, Michiaki Horiba, Shigekatsu Kohno, Takeshi Nabe
  • 雑誌名: Allergology International 巻: 64 号: 4 ページ: 351-358
  • DOI: 10.1016/j.alit.2015.04.008
  • NAID: 130005290332
  • ISSN: 1323-8930, 1440-1592
  • 査読あり
• [雑誌論文] IgE/antigen-mediated enhancement of IgE production is a mechanism underlying the exacerbation of airway inflammation and remodeling in mice. (2015)
  • 著者名/発表者名: Mizutani N, Nabe T, Yoshino S.
  • 雑誌名: Immunology 巻: 144 号: 1 ページ: 107-115
  • DOI: 10.1111/imm.12355
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Production of interleukin (IL)-33 in the lungs during multiple antigen challenge-induced airway inflammation in mice, and its modulation by a glucocorticoid (2015)
  • 著者名/発表者名: Takeshi Nabe, Hiroki Wakamori, Chihiro Yano, Ayumi Nishiguchi, Rino Yuasa, Hitomi Kido, Yusaku Tomiyama, Ayumi Tomoda, Haruka Kida, Anna Takiguchi, Masaya Matsuda, Keiichi Ishihara, Satoshi Akiba, Susumu Ohya, Hiroyuki Fukui, Nobuaki Mizutani, Shin Yoshino
  • 雑誌名: European Journal of Pharmacology 巻: 757 ページ: 34-41
  • DOI: 10.1016/j.ejphar.2015.03.015
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Interleukin (IL)-33: new therapeutic target for atopic diseases. (2014)
  • 著者名/発表者名: Takeshi Nabe
  • 雑誌名: Journal of Pharmacological Sciences 巻: 126 ページ: 85-91
  • NAID: 130004687405
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [学会発表] 道のアレルギー性IL-33産生過程における種々免疫担当細胞による抗原取り込みについての解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 金谷 春奈、高橋 弘夢、石田 有希、辻本 奈有、松田 将也、奈邉 健
  • 学会等名: 日本薬学会 第137年会
  • 発表場所: 仙台
  • 年月日: 2017-03-26
• [学会発表] IL-10を高産生するCD4+ T細胞の養子移入によるアレルギー性気道炎症の制御 (2017)
  • 著者名/発表者名: 土井加菜、堤 達哉、西村和真、松田将也、奈邉 健
  • 学会等名: 第90回日本薬理学会年会
  • 発表場所: 長崎
  • 年月日: 2017-03-17
• [学会発表] Induced Tr1 cells is available for antigen-specific immunotherapy for allergic airway inflammation (2016)
  • 著者名/発表者名: Masaya Matsuda, Takeshi Nabe
  • 学会等名: 第45回 日本免疫学会学術集会
  • 発表場所: 沖縄
  • 年月日: 2016-12-07
• [学会発表] 気道のアレルギー性IL-33産生におけるマクロファージおよびB細胞の関与について (2016)
  • 著者名/発表者名: 辻本奈有、石田有希、松田将也、奈邉 健
  • 学会等名: 第130回日本薬理学会近畿部会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2016-11-19
• [学会発表] 気道上皮からのアレルギー性IL-33産生におけるマクロファージの関与についての解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 石田有希、辻本奈有、木戸仁美、松田将也、大矢 進、奈邉 健
  • 学会等名: 第66回 日本薬学会近畿支部総会・大会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2016-10-15
• [学会発表] アトピー疾患の治療を指向したTr1細胞による新規免疫療法の基礎的検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 松田将也、藤飯愼也、貴島真貴、黒田郁江、棚橋 優、湯浅梨乃、奈邉 健
  • 学会等名: 第65回 日本アレルギー学会学術大会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2016-06-18
• [学会発表] アトピー疾患の治療を指向したTr1細胞による新規免疫療法の基礎的検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 松田将也、藤飯愼也、貴島真貴、黒田郁江、棚橋 優、湯浅梨、奈邉 健
  • 学会等名: 第65回 日本アレルギー学会学術大会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2016-06-18
• [学会発表] マウス喘息モデルを用いたIL-33産生機序の解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 辻本奈有、石田有希、木戸仁美、松田将也、武田瀬名、西尾郁美、吉田智紀、水谷暢明、吉野 伸、大矢 進、奈邉 健
  • 学会等名: 日本薬学会第136年会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2016-03-29
• [学会発表] ダニ抗原により誘導されるアトピー性皮膚炎様症状におけるCD4+細胞の役割 (2016)
  • 著者名/発表者名: 水谷暢明、奈邉 健、吉野 伸
  • 学会等名: 日本薬学会第136年会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2016-03-27
• [学会発表] アレルギー性気道炎症におけるIL-33産生細胞および機序の解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 奈邉 健、水谷暢明
  • 学会等名: 第89回 日本薬理学会年会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2016-03-09
  • 招待講演
• [学会発表] In vitro誘導したTr1様細胞の抗原刺激によるIL-10産生 (2016)
  • 著者名/発表者名: 松田将也、藤飯愼也、貴島真貴、棚橋 優、黒田郁江、湯浅梨乃、奈邉 健
  • 学会等名: 第89回 日本薬理学会年会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2016-03-09
• [学会発表] 感作マウス気道上皮細胞からの抗原誘発IL-33産生におけるIgEの関与の可能性 (2015)
  • 著者名/発表者名: 松田将也、木戸仁美、石田有希、辻本奈有、水谷暢明、吉野 伸、福井裕行、大矢 進、奈邉 健
  • 学会等名: 第128回日本薬理学会近畿部会
  • 発表場所: 吹田市
  • 年月日: 2015-11-20
• [学会発表] アレルギー性気道炎症におけるIL-33産生機序の解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 奈邉 健
  • 学会等名: 第35回 日本眼薬理学会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2015-09-05
  • 招待講演
• [学会発表] アトピー疾患におけるIL-33の役割（仮題） (2015)
  • 著者名/発表者名: 奈邉 健
  • 学会等名: 第35回 日本眼薬理学会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2015-09-05
  • 招待講演
• [学会発表] 喘息肺におけるIL-33産生のステロイド感受性の検討 (2015)
  • 著者名/発表者名: 木戸仁美、西口愛弓、矢野智大、湯浅梨乃、水谷暢明、吉野 伸、大矢 進、福井裕行、奈邉 健
  • 学会等名: 第127回 日本薬理学会近畿部会
  • 発表場所: 岐阜市
  • 年月日: 2015-06-26
• [学会発表] セマフォリン7AのIgEにより誘導されるアレルギー性気管支喘息における役割 (2015)
  • 著者名/発表者名: 水谷暢明、奈邉 健、吉野 伸
  • 学会等名: 第126回 日本薬理学会近畿部会
  • 発表場所: 岐阜市
  • 年月日: 2015-06-26
• [学会発表] 花粉症患者末梢血におけるTreg細胞およびBreg細胞の分別検出 (2015)
  • 著者名/発表者名: 松田将也、辻本奈有、石田有希、森榮勇貴、菊岡祐介、寺田哲也、河田 了、奈邉 健
  • 学会等名: 第129回日本薬理学会近畿部会
  • 発表場所: 広島市
  • 年月日: 2015-06-24
• [学会発表] Swiss 3T3細胞における蛋白キナーゼC-δ活性化によるインターロイキン-33遺伝子発現亢進 (2015)
  • 著者名/発表者名: 福井裕行、水口博之、奈邉 健、北村嘉章、武田憲昭
  • 学会等名: 第64回 日本アレルギー学会学術大会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2015-05-28
• [学会発表] 抗原特異的免疫療法に利用可能な制御性T細胞（Tr1細胞）のマウス脾細胞からの誘導 (2015)
  • 著者名/発表者名: 松田将也、黒田郁江、棚橋優、大矢 進、奈邉 健
  • 学会等名: 第64回 日本アレルギー学会学術大会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2015-05-27
• [学会発表] 気管支喘息における肺でのインターロイキン (IL)-33産生細胞の解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 奈邉 健、西口愛弓、矢野智大、湯浅梨乃、木戸仁美、喜田遥香、滝口杏奈、若森裕生、大矢 進、水谷暢明、吉野 伸
  • 学会等名: 第64回 日本薬学会近畿支部総会・大会
  • 発表場所: 京都市
  • 年月日: 2014-10-11
• [学会発表] Expression of CysLT2 receptors in asthmatic lung, and the roles in bronchoconstriction (2014)
  • 著者名/発表者名: Takeshi Nabe, Tomohiko Sekioka, Michiaki Kadode, Masanori Fujii, Takashi Abe, Michiaki Horiba, Shigekatsu Kohno, Kazuhito Kawabata
  • 学会等名: European Respiratory Society International Congress 2014
  • 発表場所: ドイツ、ミュンヘン
  • 年月日: 2014-09-09
• [学会発表] アトピー疾患の免疫療法に利用可能な誘導型制御性T細胞 (Tr1細胞)の抗原特異的IL-10産生 (2014)
  • 著者名/発表者名: 松田将也、黒田郁江、棚橋 優、大矢 進、奈邉 健
  • 学会等名: 次世代を担う創薬・医療薬理シンポジウム2014
  • 発表場所: 東大阪市
  • 年月日: 2014-08-30
• [学会発表] 抗原特異的 IgE モノクローナル抗体による受動感作により産生増強された内因性IgEの気道炎症ならびにリモデリングにおける役割 (2014)
  • 著者名/発表者名: 水谷暢明，奈邉 健，吉野 伸
  • 学会等名: 第125回 日本薬理学会近畿部会
  • 発表場所: 岡山市
  • 年月日: 2014-06-20
• [学会発表] アトピー疾患の治療を指向したTr1細胞による新規免疫療法の基礎的検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 棚橋 優、松田将也、黒田郁江、藤飯愼也、貴島真貴、水谷暢明、吉野 伸、大矢 進、奈邉 健
  • 学会等名: 第125回 日本薬理学会近畿部会
  • 発表場所: 岡山市
  • 年月日: 2014-06-20
• [備考] 摂南大学・薬学部・薬効薬理学研究室
  • URL: http://www.setsunan.ac.jp/~p-yakko/Welcome.html