生理学的薬物速度論解析に基づく肝取り込み・代謝過程での薬物相互作用予測方法の確立

• 研究課題/領域番号: 26460209
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 医療系薬学
• 研究機関: 武蔵野大学
• 研究代表者: 伊藤 清美 武蔵野大学, 薬学研究所, 教授 (60232435)
• 研究分担者: 工藤 敏之 武蔵野大学, 薬学研究所, 講師 (10584815)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円); 2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円); 2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2014年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
• キーワード: 薬物相互作用 / 生理学的薬物速度論モデル / 緩衝液条件 / CYP3A4 / CYP2C8 / OATP1B1 / 薬物代謝酵素 / ヒト肝ミクロソーム

研究成果の概要

複数の酵素で代謝される薬物では、併用薬による酵素阻害の影響を定量的に評価するために、代謝における各酵素の寄与率を正確に見積もることが重要である。レパグリニドの代謝におけるCYP2C8およびCYP3A4の寄与率について推定した結果から、in vitro代謝試験において緩衝液条件に留意することの重要性が確認された。また、クラリスロマイシンとグリベンクラミドの相互作用について生理学的薬物速度論（PBPK）モデル解析を実施し、肝取り込み阻害と肝代謝阻害の両者の関与を明らかにした。本研究と同様なPBPK解析の実施により、効率的な医薬品開発および複数薬物の併用による安全な薬物治療に資することが期待される。

研究成果

• [雑誌論文] Estimation of the contribution of CYP2C8 and CYP3A4 in repaglinide metabolism by human liver microsomes under various buffer conditions. (2017)
  • 著者名/発表者名: T. Kudo, H. Goda, Y. Yokosuka, R. Tanaka, S. Komatsu, K. Ito
  • 雑誌名: J. Pharm. Sci. 巻: 印刷中 号: 9 ページ: 2847-2852
  • DOI: 10.1016/j.xphs.2017.02.013
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 代謝酵素の基質同士を併用した場合，臨床上DDIは問題になりますか？ (2016)
  • 著者名/発表者名: 工藤敏之, 伊藤清美
  • 雑誌名: 薬局 巻: 67 ページ: 2475-2477
• [雑誌論文] 代謝阻害の相互作用はどれくらい持続しますか？ (2016)
  • 著者名/発表者名: 工藤敏之, 伊藤清美
  • 雑誌名: 薬局 巻: 67 ページ: 2478-2481
• [雑誌論文] Effect of buffer conditions on CYP2C8-mediated paclitaxel 6α-hydroxylation and CYP3A4-mediated triazolam α- and 4-hydroxylation by human liver microsomes. (2016)
  • 著者名/発表者名: T. Kudo, Y. Ozaki, T. Kusano, E. Hotta, Y. Oya, S. Komatsu, H. Goda, K. Ito
  • 雑誌名: Xenobiotica 巻: 46 号: 3 ページ: 241-246
  • DOI: 10.3109/00498254.2015.1071502
  • 査読あり
• [雑誌論文] Use of a physiologically based pharmacokinetic model for quantitative prediction of drug-drug interactions via CYP3A4 and estimation of the intestinal availability of CYP3A4 substrates. (2015)
  • 著者名/発表者名: Y. Mano, Y. Sugiyama, K. Ito
  • 雑誌名: J. Pharm. Sci. 巻: 104 号: 9 ページ: 3183-3193
  • DOI: 10.1002/jps.24495
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Evaluation of the appropriate time range for estimating the apparent permeability coefficient (Papp) in a transcellular transport study. (2015)
  • 著者名/発表者名: K. Ozeki, M. Kato, Y. Sakurai, M. Ishigai, T. Kudo, K. Ito
  • 雑誌名: Int. J. Pharm. 巻: 495 号: 2 ページ: 963-971
  • DOI: 10.1016/j.ijpharm.2015.09.035
  • 査読あり
• [雑誌論文] 医薬品の適正使用に必要な最近の薬物動態学：薬物相互作用のリスクを予測する (2014)
  • 著者名/発表者名: 伊藤清美
  • 雑誌名: くすりと糖尿病 巻: 3 ページ: 24-27
• [雑誌論文] 医療への貢献をめざす薬物相互作用研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 伊藤清美
  • 雑誌名: 薬剤学 巻: 74 ページ: 312-315
  • NAID: 130005056794
• [学会発表] Repaglinide代謝におけるCYP2C8の寄与率に及ぼす緩衝液条件の影響 (2016)
  • 著者名/発表者名: 横須賀友希, 吉原早映, 左田野光代, 合田ひとみ, 工藤敏之, 伊藤清美
  • 学会等名: 日本薬剤学会第31年会
  • 発表場所: 長良川国際会議場（岐阜）
  • 年月日: 2016-05-19
• [学会発表] トリアゾラムおよびパクリタキセルのミクロソーム結合に及ぼす緩衝液の種類および濃度の影響 (2016)
  • 著者名/発表者名: 東川 汀, 河合柚佳里, 草野友見, 合田ひとみ, 工藤敏之, 伊藤清美
  • 学会等名: 日本薬学会第136年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川）
  • 年月日: 2016-03-27
• [学会発表] ケトコナゾールおよびモンテルカストのCYP3A4およびCYP2C8阻害活性に及ぼす緩衝液の種類および濃度の影響 (2016)
  • 著者名/発表者名: 横須賀友希, 藤原里紗, 合田ひとみ, 工藤敏之, 伊藤清美
  • 学会等名: 日本薬学会第136年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川）
  • 年月日: 2016-03-27
• [学会発表] 抗てんかん薬の薬物相互作用（バルプロ酸－ラモトリギン）の生理学的薬物速度論モデル解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 工藤敏之, 荻原将人, 中村敏明, 伊藤清美
  • 学会等名: 医療薬学フォーラム2016/第24回クリニカルファーマシーシンポジウム
  • 発表場所: 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール（滋賀）
• [学会発表] ヒト肝ミクロソームにおけるS-ワルファリン代謝活性に及ぼす緩衝液条件の影響 (2016)
  • 著者名/発表者名: 左田野光代, 合田ひとみ, 横須賀友希, 工藤敏之, 伊藤清美
  • 学会等名: 第26回日本医療薬学会年会
  • 発表場所: 国立京都国際会館（京都）
• [学会発表] 薬物の代謝と輸送における相互作用～糖尿病治療薬を例に～ (2016)
  • 著者名/発表者名: 伊藤清美
  • 学会等名: 病院薬剤師合同勉強会
  • 発表場所: 日本経済大学（東京）
  • 招待講演
• [学会発表] PBPK model of rifampicin incorporating its hepatic uptake and auto-induction processes to predict various types of drug-drug interactions (DDIs) such as CYP3A/2C9 inductions and OATPs inhibitions. (2016)
  • 著者名/発表者名: R. Asaumi, K. Toshimoto, T. Kudo, T. Sawada, Y. Tobe, K. Kono, K. Ito, K. Nunoya, H. Imawaka, Y. Sugiyama
  • 学会等名: 日本薬物動態学会第31回年会
  • 発表場所: キッセイ文化ホール（長野）
• [学会発表] 代謝レベルで生じる薬物相互作用の定量的解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 伊藤清美
  • 学会等名: 第36回日本臨床薬理学会学術総会
  • 発表場所: 京王プラザホテル（東京）
  • 年月日: 2015-12-11
  • 招待講演
• [学会発表] Theoretical approach based on a 3-compartment model for estimating the appar ent permeability coefficient (Papp) in a transcellular transport study. (2015)
  • 著者名/発表者名: K. Ozeki, M. Kato, Y. Sakurai, M. Ishigai, T. Kudo, K. Ito
  • 学会等名: 日本薬物動態学会第30回年会
  • 発表場所: タワーホール船堀（東京）
  • 年月日: 2015-11-13
• [学会発表] Effect of buffer conditions on CYP2C8-mediated paclitaxel 6α-hydroxylation and CYP3A4- mediated triazolam α- and 4-hydroxylation by human liver microsomes. (2015)
  • 著者名/発表者名: T. Kudo, Y. Ozaki, T. Kusano, Y. Kawai, E. Hotta, H. Goda, Y. Oya, S. Komatsu, K. Ito
  • 学会等名: 日本薬物動態学会第30回年会
  • 発表場所: タワーホール船堀（東京）
  • 年月日: 2015-11-12
• [学会発表] ヒト肝ミクロソームにおけるパクリタキセル代謝活性に及ぼす緩衝液の種類と濃度の影響 (2015)
  • 著者名/発表者名: 河合柚佳里, 尾崎裕哉, 堀田絵梨, 草野友見, 東川 汀, 工藤敏之, 伊藤清美
  • 学会等名: 医療薬学フォーラム2015/第23回クリニカルファーマシーシンポジウム
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知）
  • 年月日: 2015-07-04
• [学会発表] Use of modeling and simulation for the prediction of drug interaction. (2015)
  • 著者名/発表者名: K. Ito
  • 学会等名: 19th International Conference on Cytochrome P450
  • 発表場所: 国立オリンピック記念青少年総合センター（東京）
  • 年月日: 2015-06-14
  • 招待講演
• [学会発表] 代謝におけるDDIの予測；今後の問題点 (2015)
  • 著者名/発表者名: 伊藤清美
  • 学会等名: 第363回CBI学会講演会
  • 発表場所: 東京大学山上会館（東京）
  • 年月日: 2015-06-11
  • 招待講演
• [学会発表] ヒト肝ミクロソームにおけるトリアゾラムの水酸化活性に及ぼす緩衝液の種類と濃度の影響 (2015)
  • 著者名/発表者名: 草野友見、尾崎裕哉、合田ひとみ、河合柚佳里、東川汀、工藤敏之、伊藤清美
  • 学会等名: 日本薬学会第135年会
  • 発表場所: 神戸サンボーホール（兵庫）
  • 年月日: 2015-03-25 – 2015-03-28
• [学会発表] 肝取り込みおよび肝代謝阻害に基づく薬物相互作用の生理学的薬物速度論モデル解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 工藤敏之, 杉山雄一, 伊藤清美
  • 学会等名: 第3回日本くすりと糖尿病学会学術集会
  • 発表場所: アクロス福岡（福岡）
  • 年月日: 2014-11-02 – 2014-11-03
• [学会発表] Effect of buffer conditions on CYP2C8-mediated 6-hydroxylation of paclitaxel by human liver microsomes. (2014)
  • 著者名/発表者名: T. Kudo, Y. Ozaki, E. Hotta, A. Matsubara, K. Ito
  • 学会等名: 19th North American ISSX meeting/29th JSSX meetimg
  • 発表場所: Hilton San Francisco（California, USA）
  • 年月日: 2014-10-19 – 2014-10-23
• [学会発表] Quantitative prediction of drug-drug interactions by PBPK model using the in vivo Ki values. (2014)
  • 著者名/発表者名: A. Kobashi, J. M. Ciloy, M. Matsushita, K. Maeda, K. Ito
  • 学会等名: 19th North American ISSX meeting/29th JSSX meetimg
  • 発表場所: Hilton San Francisco（California, USA）
  • 年月日: 2014-10-19 – 2014-10-23
• [学会発表] Drug interaction guideline for drug development and labeling recommendations: final draft of Japanese new guideline. (2014)
  • 著者名/発表者名: Y. Saito, A. Hisaka, T. Kume, K. Maeda, H. Suzuki, K. Ito, K. Inui, Y. Kato, S. Ozawa, H. Watanabe, S. Miura, T. Mitsuoka, K. Maekawa, M. Sato, A. Ishiguro, R. Sato, N. Nagai, Y. Ohno
  • 学会等名: 19th North American ISSX meeting/29th JSSX meetimg
  • 発表場所: 19th North American ISSX meeting/29th JSSX meetimg
  • 年月日: 2014-10-19 – 2014-10-23
• [学会発表] Glibenclamide代謝に関与するCYP分子種の寄与率の推定 (2014)
  • 著者名/発表者名: 立原有夏, 合田ひとみ, 草野友見, 工藤敏之, 伊藤清美
  • 学会等名: 医療薬学フォーラム2014/第22回クリニカルファーマシーシンポジウム
  • 発表場所: 東京ビッグサイト（東京）
  • 年月日: 2014-06-28 – 2014-06-29
• [学会発表] パクリタキセル6α水酸化反応におけるトリス塩酸緩衝液濃度依存的な活性の変動 (2014)
  • 著者名/発表者名: 尾崎裕哉, 堀田絵梨, 松原亜耶, 工藤敏之, 伊藤清美
  • 学会等名: 医療薬学フォーラム2014/第22回クリニカルファーマシーシンポジウム
  • 発表場所: 東京ビッグサイト（東京）
  • 年月日: 2014-06-28 – 2014-06-29
• [学会発表] 代謝酵素の関わる薬物相互作用の予測 (2014)
  • 著者名/発表者名: 伊藤清美
  • 学会等名: 第351回CBI学会研究講演会
  • 発表場所: 東京大学弥生講堂（東京）
  • 年月日: 2014-06-19
  • 招待講演
• [学会発表] 肝取り込みおよび肝代謝阻害に基づくclarithromycinとglibenclamideの相互作用の生理学的薬物速度論モデル解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 工藤敏之, 杉山雄一, 伊藤清美
  • 学会等名: 第22回肝病態生理研究会
  • 発表場所: 都市センターホテル（東京）
  • 年月日: 2014-05-31
• [学会発表] Clarithromycinによるrosuvastatinの肝取り込み阻害の検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 峯崎萌子, 安部謙佑, 伊藤 栞, 工藤敏之, 都丸充子, 杉山雄一, 伊藤清美
  • 学会等名: 日本薬剤学会第29年会
  • 発表場所: 大宮ソニックシティ（埼玉）
  • 年月日: 2014-05-20 – 2014-05-22
• [学会発表] Analysis of the repaglinide concentration increase produced by gemfibrozil and itraconazole based on the inhibition of the hepatic uptake transporter and metabolic enzymes. (2014)
  • 著者名/発表者名: T. Kudo, A. Hisaka, Y. Sugiyama, K. Ito
  • 学会等名: Experimental Biology 2014
  • 発表場所: San Diego Convention Center（California, USA）
  • 年月日: 2014-04-27 – 2014-04-30
  • 招待講演
• [図書] 薬剤学実験法必携マニュアル Pharmaceutical Scientistのために (2014)
  • 著者名/発表者名: 工藤敏之, 伊藤清美
  • 総ページ数: 794
  • 出版者: 株式会社南江堂